叶うなら君と、また【赤葦京治】

ep-5 ページ7

男バレと女バレ、それから男子バスケ女子バスケ、バトミントン部とで、第1・第2体育館を交代で使っている。


男バレと同じ体育館で練習するのは週に3か4回。



代替わりして初めての音駒が会場の練習試合で、去年まで普通の円陣だった男バレに異変が生じた。



「俺たちは血液だ。滞りなく流れろ。酸素を回せ。脳が、正常に働くために。いくぞ」


「「「「「「アス！！」」」」」」



その場にいた対戦校、監督コーチ、そして普通に練習していた私たち。


全員が、え？？ と凝視した。


その中心で、


「クロ、ホントにやめよ…」


と言っていたのが研磨。



3年の先輩と上手くいってなかったらしいし、新手の虐めかと思ったけど、言ってたのがクロさんだったから違うじゃん。


多分ただクロさんの中二趣味だと思う。


実は何この円陣カッコイイ、って思ってしまった私も私だけど。

・


研磨とは去年も同じクラスで席もなんだかんだずっと近かったから、気付けば研磨と呼ぶようになった。


100%クロさんの影響だけど。


あの人ときたら、週に3、4回は研磨のもとにやって来て構い倒していた。


研磨研磨研磨研磨。


そして私も巻き添えくらって、クロさんとも顔見知り、果てはLINEまで交換してしまったんだから、クロさんの過保護はやばい。


移動教室が多くて研磨のとこに来れない時だとか、私にLINEを飛ばして研磨の様子を聞いてくる。


「クロさん、なんで研磨に直接LINEしないんですか？」


と1度聞いたら、


「研磨は既読無視するから。俺に返信するよりゲームだから、直接見に来るか誰かに聞いた方が早い」


なるほど、脅威の確率で研磨の近くの席な私は適任なわけだ。

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