叶うなら君と、また【赤葦京治】

side-A �� ページ19

木兎さんとの自主練が珍しく早めに終わって、珍しく買い食いもせずにさっさと最寄りに着いたから。


改札をくぐろうとしている幼馴染のあまり変わらない後ろ姿を見つけることが出来た。


彼女と同じクラスの友達からたまに近況を伝えられていたし、公式試合の会場で遠目から姿を見つけることはあったけれど、直接喋る機会は…もう一年ぶりくらいになるか。


思わず足を早めて、肩を叩く。


「赤葦っ」



訝しげに振り返ったAの表情がぱっと変わる。


「わー、久しぶり！」


スランプらしいよ、と孤爪から言われていたし、暗い顔をしてるんだろうか、なんて思ってたのが拍子抜けで思わず笑ってしまう。


少し空腹を覚えていることを思い出して、それから少し話したいなぁなんて思って提案する。


「久しぶり。ねえ、ドーナツでも食べてこうよ」



・




いくつか購入して席につくと、Aは何を話そうか迷っているような感じだった。

かく言う俺も、あまりにも直接話していない時間が長すぎて、調子が狂っている。そんなことおくびにもださないけれども。

結局困って孤爪の話題を出す。

「なんか、Aの話を人づてに聞くって違和感あった」

そう俺が言うと、


「それ、すっごいわかる。なんか変な感じだよね。

……中学までは1番長い間一緒に居たのに｣


ぼそり、と呟かれた言葉におや？と思う。

Aはこんなちょっとむず痒いような言葉を言うような人だったっけ、と。

もう今は元気を取り戻してはいるようだけどスランプらしいし、少し甘えた言葉が出てるのかな、と分析。

中学の時よりも、木兎さんに鍛えられた今のほうが他人の機微に関して敏感になったような気がする。

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ep11からあたりの赤葦くん視点です！！！
久しぶりの更新ですごめんなさい！
たくさんの方にお気に入り登録していただけて嬉しいです( ˙꒳˙ )

タイトル的なのずっと付けてたんですが全て消しちゃいました。気の迷いです。笑

数話赤葦くん視点書いたらAちゃん視点に戻ります。
まだまだお付き合いください！

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