31恋 ページ32
side◎間宮A
.
夢を、見たいと思ったの
.
(あなたと、ふたりで)
.
家の近くの公園に行けば
ブランコに座っている大きな背中を見つけた
.
「誠知っ…誠知!」
.
夜にも関わらず、大きな声で名前を呼んだ
肩を震わせた誠知は、ゆっくり私の方を向く
.
「…A、」
「伝えに来たの」
「…」
「誠知が私に伝えてくれたみたいに
私も誠知への気持ち、伝えに来たの!」
.
誠知がゆっくりと立ち上がって
ポーカーフェイスのまま、私に近づいた
誠知の眉が、少しだけ動く
.
「誠知…もっと、こっち来て」
「…ん、」
.
誠知と私の距離が、縮まる
.
私は思いっ切り背伸びをして、誠知の襟に手を置く
そっと、顔を近付けて
誠知の唇に、自分のそれを重ねた
.
___今度は私が、誠知にキスをした
.
「……A、」
.
唇を離して、誠知と目が合う
瞬きをした誠知の瞳に、微笑む私が映った
.
「好きだよ」
「…っ」
「私も、誠知のことが好き。…大好きだよ」
.
同じ日に、同じ場所で生まれて
一緒に育った"幼なじみ"
.
だけど、私もいつしか
誠知を幼なじみ以上に見ていた
きっと私が思うずっと前から、誠知が好きだった
気づくのに、時間が経ってしまったけど
.
「好きなの、誠知のこと」
「…幼なじみとしてじゃなくて?」
「うん。それ以上に想ってる」
「…ほんとに?」
「ほんとだよ」
.
誠知の手が、私の頬に触れる
私の言葉に、誠知のポーカーフェイスは崩れて
ふにゃっとした笑顔
頬の筋肉が緩んだ、柔らかい笑顔が見えた
.
「…遅せぇよ」
「えへ、ごめんなさい」
「もう離さないけど、いい?」
「いいよ」
「もっと好きになっても…いい?」
「いいよ」
「……やべ、なんか照れるな」
「ふふ。くすぐったいね」
.
少し俯いた誠知と目が合って
その口元が緩んでいることに気づいて
ふたりで、笑った
.
「幼なじみから、1歩前進だね」
「…長かったわ」
「だからー…ごめんって」
「………ん、」
「うわ、不意打ち」
「遅くなった罰」
「…ずるいよもう」
.
私の方を振り返った誠知の唇が触れたのは
本当に一瞬で…慌てる私とは反対に
誠知はにしし、といたずらっ子のように笑った
.
「…好きだよ」
「…」
「誠知、好き」
「やべー…すげぇ嬉しい」
.
どちらからともなく、手を繋ぐ
.
間宮A、ついに
大好きな誠知と、付き合うことになりました
.
463人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凛*.(プロフ) - リンさん» リンさん(´∀`)ついにです...!ここまでお付き合いくださってありがとうございます! (2018年11月11日 23時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - つ…遂に!! (2018年11月11日 23時) (レス) id: 03ef5bc57a (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - 澪さん» 澪さん◎ありがとうございます( ; ; )嬉しいコメントに私もキュンキュンしちゃいました(´▽`*)応援ありがとうございます! (2018年11月10日 14時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 突然のコメント失礼します。殿堂入りおめでとうございます!とてもキュンキュンしながら読ませていただいてます。これからも更新頑張って下さい! (2018年11月10日 12時) (レス) id: 10f685532e (このIDを非表示/違反報告)
凛*.(プロフ) - リンさん» リンさん◎ありがとうございます!是非2人の行く末を見守ってください...! (2018年11月6日 7時) (レス) id: da5814e32d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:凛* | 作者ホームページ:https://twitter.com/j2hi_ve
作成日時:2018年9月18日 1時