. 04 ページ4
.
「最近の君は何かに焦っているみたいだね」
ふいに、天祥院さんが私に声を掛けた。
その言葉に私はビクッとしてしまい、何も返せなかった。
「…君は、君なんだ。」
彼は、そう言った。
それは、どんな意味で言ったのだろうか。私は私。だから実力が無い君じゃ、依頼されなくても当然?
嫌な事を考える。 ぐるぐると、黒い渦が巻いているように。
「僕は君の衣装が好きだよ。」
「僕は君の計画したイベントが好きだよ。」
「僕は君が作ってくれた曲が好きだよ。」
ゆっくりと、彼の優しい声が私の耳に届く。
「僕は、君の丁寧に作品を作ってくれる姿が好きなんだ。ゆっくりでいい、君のぺ−スでいい。 君は君なんだ」
" 君は君なんだ "
「君はその紐りぼんもゆっくり丁寧に結ぶよね? それでいいんだ。丁寧にしたからこそ、君らしい作品が作れる。」
" 君らしい作品が作れる "
「だから、焦らなくていい。僕は君が丁寧に作ってくれるまで待つ。ゆっくりでも構わない。僕はずっと待つよ。」
" 僕はずっと待つよ "
____ 何事にも、ていねいにして自分を成長させていくのよ。
お母さん、そうだよね。
焦らなくていい。
自分は、自分。
人生は1度きりなんだ。
私を待ってくれている彼に、丁寧に作った作品を届けるために。
自分のペースで、人生を造り上げるんだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Tao音 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年4月15日 0時
