ていねいに、りぼんを結ぶように (ページ2)

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「これ、次の衣装です。」

「…ありがとう」

丁寧に作り上げた衣装は、依頼主の元に届けた。

彼は嬉しそうに私の衣装を見つめてくれた。

それが私にとって嬉しい以外に何も無かった。

「ここ、解れにくいようにしているんだね」

「はい。優雅に踊るfineを魅せれるようここはしっかりと留めておきたいと思いまして」

「流石だね。次の時も君に期待するよ」

「ありがとうございます。」

私はプロデュース科で最初の転校生だった。

しかし、転校して1年目の夢ノ咲学院は荒れに荒れていた。そこを立て直したのが天祥院さん。

私にとって救いの人であった。

2年目になり、新しく2年生にプロデュース科の転校生がやってきた。

彼女はみるみる成長してこの夢ノ咲学院を変えた革命児の1人にまで登りつめた。

私は、少しでもそこで彼女に嫉妬したと言えばそうなる。私に出来なかったことを彼女はやったのだ。

けど、私と彼女は人間だから違う。

昔母親に言われた通り、丁寧に自分を成長させるため、何事にも努力をし続けた。

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「… 君に依頼するのはもう辞めるよ」

この言葉は私にとって1番辛い言葉なのかもしれない。

あるクラスメイトにこの言葉を言われてから次々と私への依頼はなくなってしまった。

今思えば、これが"実力"の結果なのかもしれない。

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