12話 tn side ページ13
Aさんを初めて見たのは、大先生が横抱きでこちらに運んできた時。時が止まる感覚がした。
絹のような白い髪に一目見てわかる整った顔立ち。体も小柄で少しでも力を入れたら折れそうなくらい華奢であった。俺の中で女性というのは未知の世界の生物なのにこんな人がいきなり現れたらどうすればいいんだ…としばらく頭を悩ませた。
でも、女というのは権力と財力しか見てない奴らばっかりでこの人も起きたらキャーキャー言い出したりするんやろうか。そんな不安を心に残しながらAさんの腕を掴んで自分の部屋に向かったのだ。
だが、彼女は違う。
俺の長い説明も真剣に聞いてるし、会ったばかりの奴の顔色を伺って心配もしてくれる。優しすぎやろ…。
そんな人が、吸血鬼の姿になったのを見て初めに思ったことは “すっごい綺麗やなぁ” って。金色の瞳はいつの間にか俺と同じ紅になっていて雰囲気も違っていた。
『ねぇ、トントンさん。私と取引しませんか？』
tn「取引…？」
『そうです。先程貴方は言いましたよね？もっと丈夫な身体になれたらいいのにって。その願い、私なら叶えてあげれますよ？』
tn「…どういうことか説明して貰ってもええか？」
『そのまんまですよ。私はトントンさんの血を貰う代わりに加護を与えるんです。まぁ、1回だとあまり効果がないんですけどね』
加護を与える、とか嘘みたいな話。でも、吸血鬼自体いることを信じてなかったや。それに、あいつから少しだけ聞いたことがある。
“ ??「吸血鬼はな、あれは甘い薬や。1度だけって思っても辞められなくなるらしいで。」”
そんなことを考えていると、繋がれていた手が離されて俺はあっという間に床に倒されていた。そして、俺のお腹の上に馬乗りでAさんがいるのだ。嗅いだことの無い鼻につかない甘い香りに顔に熱が集まるのがわかる。
『トントンさん…私は心配してるんです。』
tn「し、んぱい？」
『ええ。このままじゃ過労死してもおかしくない程無理してますよね？そんな人ほっとけません』
だめや。耐えろ自分。このまま流されたらこの人の思うつぼやんけ。
『私はわかってますよ。トントンさんがこれまで1人でどれだけ頑張ってきたかを』
ちゃう。ちゃうちゃうちゃう。今そんなこと言わんでくれ……。
そして、Aさんは俺の眼鏡をゆっくり外して目元に軽くリップ音を混ぜたキスをした。
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樹乃(プロフ) - あっ、えちぃ奴ですね！(察)御馳走様です！！！！！ (9月23日 14時) (
レス) @page14 id: df66a330f6 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - ﾊｧｯ(昇天)待って好きえっつなの大好物！（） (2023年1月6日 3時) (レス) @page30 id: 73572317b8 (このIDを非表示/違反報告)
荒脅レオン(プロフ) - コメ失礼します…脳内再生させてみたら尊過ぎて天国行きかけてしまいました…。天国をありがとうございます！失礼しました！！！！ (2022年12月16日 17時) (レス) @page45 id: 8c9c47586b (このIDを非表示/違反報告)
かめ - 初コメすみません……snさんの照れ顔想像したら、スマホ投げそうになりました() 尊いです……失礼しました…… (2022年5月28日 0時) (レス) @page8 id: a727910568 (このIDを非表示/違反報告)
玉こんにゃく(プロフ) - あぁぁぁ〜っ！エミさんドMキャラなのくっそ好きです…美味しい…応援してます、頑張って！ (2021年9月1日 3時) (レス) id: 6917921727 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こねまる | 作成日時：2020年11月21日 14時
