11話 ページ12
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放課後、やってきたのは図書室。借りていた本の貸出期限が今日までだったので本を持ってカウンターの方へ向かえば、彼がこちらに気づいて控えめに手を振ってくれる。
『エミさん、これお願いします』
em「ふふ。やっと会えましたね」
『そっか、お昼の時エミさん居なかったもんね。何か用事でもあったの？』
em「いえ、ただ本を読むのに夢中になりすぎて気づいたら残り時間が15分でして…」
『あーねぇ。どの本？』
私がそう言うと、エミさんは持っていた本を私に差し出してきた。こんな本あったんだ…ジャンルが広いってすごいなぁ。
中身をパラパラ捲って拝見している間に、彼は図書室の当番を先生に頼んでいる姿が見えた。邪魔にならないよう端で序盤の方だけ読んでいると、いつの間にか目の前にエミさんがいた。
本を閉じて彼に返すと、色素の薄い瞳が真っ直ぐとこちらを捉えてゆっくりと口を開く。
em「Aさんは見かけによらず本が好きですよね」
『それこの前コネシマにも言われた！一体エミさん達は私をなんだと思ってるの？』
em「いや、貶してるとかじゃなくて……綺麗な女性だからこそ本を読むというより話す方が好きなのかなと、」
『んー、その話す話題として本を読むことをしているかなぁ。本って知識も知恵も詰まってるじゃん？』
em「…だからか。あなたと話すとどんな分野でも話せるから会話が途切れることがありませんもんね」
『エミさんとかコネシマには負ける！あと三強とかは、たまにする話がマニアックすぎて聞いてて頭蕩けちゃう』
em「あの人たちはいい意味で変わり者ですよ」
そんな話をしながら2人で笑い合っていると、あっという間に外は暗くなっていた。エミさんと話すのは居心地がいいからかなぁ。
送ってくれるという彼の言葉に甘えて自宅まで歩いていると、前から無灯火の自転車がやって来た。
私は別の場所を見ていて気づかなかったが、エミさんが肩を抱いて引き寄せてくれたことによって事故にならずに済んだ。
『ご、ごめん…全く気づかなかった、』
em「いえいえ！悪いのはあちらですから。Aさんが無事で何よりです」
そう言って微笑んでくれる彼の手に自身の手を絡めると、ビクッとした後にギクシャクとした動きで歩き始める。
暗い上にエミさんは斜め前に居るから顔は見えないが、握り返された手は熱が移るんじゃないかってくらい暖かくて、私の心はポカポカした気がした。
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かみぶくろ - こねまるさん» スッ(お金払います)神作品…ぐふっ (2021年5月6日 23時) (
レス) id: cb17226bb5 (このIDを非表示/違反報告)
こねまる(プロフ) - 凍てつく闇さん» 素敵なコメントありがとうございます!!そう言っていただけて嬉しい限りです(TT) (2021年3月14日 16時) (レス) id: 02de4baf3e (このIDを非表示/違反報告)
凍てつく闇(プロフ) - え、超好き。この系統の話は中々見かけないので斬新に思いました!とても面白かったです! (2021年3月8日 5時) (レス) id: fb05f8f52b (このIDを非表示/違反報告)
egao(えがお)(プロフ) - 完結おめでとうございます！！最後の方の泣くところ案外ピュア…？？とか思ったけどやっぱり腹黒夢主は最後まで腹黒夢主でしたね！ここまで腹黒なのは清々しいです！wめっちゃ面白かったです！ (2021年3月7日 23時) (レス) id: 3e3460a7ff (このIDを非表示/違反報告)
こねまる(プロフ) - 案山子の色さん» 案山子の色さんはどの作品でも暖かいコメントをして下さっていて感謝しかないです…!!私もほんとらぶです(^-^)これからも期待に添えるよう頑張ります!! (2021年3月7日 22時) (レス) id: 02de4baf3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こねまる | 作成日時：2021年3月5日 21時
