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2話 ページ3

次の日、真はまたあの踏切に来ていた。今度は電車が来るまで待ったため、やはり少女は現れた。


「また来たんですね。貴方の過去には、一体どんなことがあったのでしょう・・・・。


想像するだけで心臓が暴れます。まるで貴方のミステリアスな過去に恋をしたかのよう」


また少女は赤いランドセルから子猫を取り出し、踏切に投げた。


真が猫を目で追い踏切を見た頃には、電車は既に踏切に入っていた。


「お前また・・・・!」


伸ばした手は猫を救えるはずもなく、ただ虚しく空を掴んでいた。


「バスケをしている割に、悪童の割に、動体視力と洞察力が足りないように思えますが」


真がバスケの時ほど集中していなかったのと、蝉が悲鳴をあげるような鋭く刺さる日光が原因だったのだが、少女はそれが許せなかったらしい。


少女は真に近付き、調子に乗んなガキ、と悪態をつく真に一言言った。


「調子に乗っているのは貴方です。悪童さん、次はちゃんと私を楽しませて下さいよ」


昨日の去り際ように、少女はにたりと笑った。


真は知識と殺気と頭脳が長けているその少女を、ただ睨むことしかできなかった。いつもの彼なら、そんなことはなかったのだろうに。


「あぁ、私だけ貴方の名を知っていてはフェアではありませんね。


私の名前はA、名字を知る必要はないでしょう」


「歳は」


真は咄嗟に口を開いた。Aが自分のことを話す気になったので、聞けることは聞いておきたい、と考え問うたのだった。


「私が小学生ではないとお考えですか?


確かに、ランドセルには教科書ではなく子猫が入っていますし、小学生の口調でもありません。


小学生とも中学生とも思える身長ですし、こんな遊び、普通の小学生はしないでしょう。・・・・まあ、中学生でもしませんが。


それとも、貴方がこの遊びをしていたのが小学生の頃ではなかったから、という理由ででしょうか?」


「歳だけ聞いてんだ、まだその足で立っていたいならさっさと答えろ」


質問攻めのAに惑わされず、真ははっきりと言った。Aは心底楽しそうな顔で、小学校六年生です、と答えた。


本当に小学生だったのか。


真は唖然としたが、またAは忽然と姿を消したので、今日は諦めて帰るしかなかった。


踏切には血が飛び散った跡が無数にあったが、きっとその中には真が遊んでいた頃のものもあるのだろう。


真は唇を噛み締めた。

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ルナ(プロフ) - 番外編とか続編とか作ってみて下さい!! (2020年5月18日 18時) (レス) id: 9be15952a3 (このIDを非表示/違反報告)
雫鶴鳩 - 更新頑張ってください!! (2017年11月12日 23時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
氷留痲 - 追加・・・更新頑張って下さい!! (2017年2月6日 0時) (レス) id: a6e8c41ba4 (このIDを非表示/違反報告)
氷留痲 - 面白い!貴方は花宮+赤司のIQのお方ですか!?((尊敬 (2017年1月22日 20時) (レス) id: a6e8c41ba4 (このIDを非表示/違反報告)
夢喰。(プロフ) - 内容がミステリアスで思わず魅入ってしまいました。更新、気長に待ってます( ´ ▽ ` )ノ (2016年12月28日 21時) (レス) id: bb18efc351 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:魅乃瑠 | 作成日時:2016年6月19日 23時

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