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不安要素大 ページ29

巨side


「なにしてるんすか」

「森か…まぁ、ね」

「あぁAちゃんっすか」

「…まぁ」




目の前には、初登板の新人の緊張をほぐそうと、
楽しそうに話しているAちゃん。


仕事でインタビューも兼ねているんだけど、
あんなに可愛くて、あんなに優しく話しかけられたら、
誰だって落ちてしまうだろう。




「あれは、もう一種の才能ですからね」

「だけどさ、もう少し…はぁ」

「巨さん、そんなに溜息ついてたら、
幸せ逃げますよ」

「そうだけど、」

「付き合ってもAちゃんはAちゃんっすからね」

「それは…そうだね」



付き合っても、結局俺が話しかけると、
凄く緊張している。
でも、頑張って話そうとしてくれる姿は可愛い。



「Aちゃん!」

「な、な巨さん!お疲れ様です!」

「試合前だけどね」

「そう、ですね…すみません」

「そういうところも可愛い」

森「あぁ、こういうの普通だから。
早めに慣れておいたほうがいいよ〜」




なんて森が新人に言っている。
そんなのを聞いていないAちゃん。


全員が集合をかけられて、監督の周りに集まる。




「Aちゃん…」

「はい、なんでしょうか?」

「…なんでもない」

「え、なんですか。気になります」

「んー、あんまり可愛い所を
周りにふりまかないこと」

「ごめんなさい…言っている意味が」

「…やっぱり、AちゃんはAちゃんだ」




そういうと、相変わらず言っている意味が分からないようで、
混乱している。




「さてと、俺も行かないと…
今日もよろしくね、Aちゃん」

「はい!ホークスを応援します」

「…でも、俺のことも見てね」

「…」

「え、そこで黙る?」

「巨さんのこと見ると…
その、手が止まってしまって…
仕事にならないです」

「…可愛い」

「?!」

「それは困るけど…
そうだな、時々は俺のこと見て。
で、かっこいいと思って」

「いつも思ってるので…」

「…はぁ、Aちゃんの今後が心配」



こうやって無意識に落としていくのだろう。
新人が落とされないか心配でしかたない。




それから二人とも別々の場所から呼ばれて、
お別れをする。


あぁ、今日も頑張ろう。
ホークスのためにも、自分のためにも…

Aちゃんのためにも。


(巨:とりあえず、変なことあったら言ってね)
(森:え、俺っすか?)
(巨:そう。よく二人で写真撮ってるじゃん。楽しそうに)
(森:すみません…(意外に嫉妬深い…))

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作者名:ゆき | 作成日時:2019年3月12日 17時

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