高嶺の花【宇髄天元】

26. ページ28

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「…っ、お前、可愛すぎんだろ…。」

キスしたくなっちまうだろうが、
と再び胸元に顔を押し付けられる。





『……して、みる…？』

ちらりと見上げてみる。
我ながらなんてはしたないことを…、
と少し後悔した。







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「…その前に、Aからちゃんと聞きてえ。」



「俺はAが好きだ。すっげえ好き。」



「なぁ、Aは？」



「ほら、早く言えよ。」







キスしてみる？
だなんて随分はしたないことを口走ったくせに、目の前の彼にたった2文字の言葉が言えずにもじもじする私。





ったく、
と痺れを切らした彼が再度私の顎を上に向かせた。





今度は、してみる？だなんて聞く暇もなく
私の唇は彼によって奪われた。





男の人からの抱擁も口付けも、全部初めてなのに
初めて押し付けられたそれはただ触れるだけではなく
何度も何度も、時には角度を変えて
やがてぬるりとした舌で私のものと絡められた。









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「はい、返事は？」


唇を離され、
やけに色気を纏った表情でそう聞かれる。

先程までその唇で私を貪っていたのかと思うと
なんだか直視出来なかった。




私は、ちらちらと彼を見ながらも
赤い顔を隠すことなくその言葉を紡いだ。


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