１４１☆ ページ21
少しでも母の助けになればと…
蒼汰の為になればとバイトと家事に明け暮れた学生時代。
流行りのメイクにファッション…
そして彼氏とのデートについて楽しそうにおしゃべりする同級生がまるで別の世界の住人のようで羨ましかった。
流行りの服をシーズンの度に買う余裕も、ブランド物のメイク道具を買う余裕なんてない私は地味で目立たない存在だったと思う。
そんな私に告白してくれたのが初彼で元彼の悠真くんだった。
こんな私を誰かが見てくれてたのがただただ嬉しくて…
そして彼氏という存在に興味があって…
彼氏がいる自分はキラキラ輝いてた周りの女の子達と並べる気がして…
好きかどうかなんてわからずに彼の告白を受け入れた。
そして彼に恥をかかせないようにと…
少しでも可愛いと思われたいと…
普通の女の子が持つ感情のまま、お金がないなりにおしゃれとお化粧を頑張って…
社会に出たら、いつに間にか私の知らないところで作られた『高嶺の花子さん』になってた。
「ね？だから私は『高嶺の花』なんかじゃないんだよ…。」
なかなか言い出せなかったのは、なぜかそう信じてる翔くんに過去を告げて幻滅されるのが怖かったから。
きっと翔くんは私がずっと周りにそう思われてたと思ってると思う。
蒼汰が眉目秀麗だから姉である私も同じ括りとして見てると言うか…。
「いや…俺にとってはずっと高嶺の花だよ…って言うよりも今では俺のお姫様だけど。」
優しい口調でそう言って頭のてっぺんにキスをしてくれた。
「確かにみんなが言うように可愛いし…見た目もドストライクだった事は否定しないけど。言ったでしょ？俺はその優しい心にどうしょうもなく惹かれたって。」
やっぱり翔くんは優しい…
と、言うよりもエスパーかと思えるくらい私の欲しい言葉を当たり前にくれる。
「突然、俺の目の前に現れた女の子はどこか違う世界から来たお姫様なんじゃないかって…そんな事思ってたな。それくらいピュアで可愛くて……大好きだよ？」
ギュ〜ッと抱きしめて私に先を話しても大丈夫だと安心をくれる。
「私ね…？その彼とのお付き合いが途中でやっぱり違うなって思って…。」
「うん。」
「どこかで蒼汰と比べちゃって…。」
「弟くんと比べられたら男としてかなりキツいね？大抵尻尾巻いて逃げちゃう。」
「蒼汰を蔑ろにして遊ぶのも違うなって…。」
作られた恋に夢中になり過ぎて蒼汰の抱く気持ちに気づけなかった…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2211人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さとち(プロフ) - 最後までしょーちゃんを見届けさせてくれてありがとです(*´∀｀*)ロマンチストなしょーさんにぴったりなプロポーズシーン。きゅんきゅんしちゃいました。ヘタレくんが成長してく様子を見守れて幸せでした(^^) (2019年11月17日 8時) (
レス) id: 71c5d1241d (このIDを非表示/違反報告)
プリ(プロフ) - 完結おめでとうございます。私はヘタレてても優しくて少しずつでも頑張る翔くんが大好き。プロポーズのシーンもとっても素敵だった。素敵なお話しをありがとうございます。これからも楽しみしてます(^-^) (2019年11月10日 12時) (レス) id: cd103d13f3 (このIDを非表示/違反報告)
にのゆう(プロフ) - 完結お疲れさまでした。私はしおななさん大好きです(*´▽｀*) (2019年11月9日 12時) (レス) id: 36f104c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
すりおろし梨。(プロフ) - 終わった〜。あんなにヘタレだった翔くんが 花子さんに釣り合うべくカッコよく成長！ てか、まあ、初めから素材は完璧なんだからまあ当たり前か。多少ヘタレがまたかわいい（≧∇≦） こんなかわいいバカップルになれるなんて(//∇//)お互いに好きすぎていいなぁ〜 (2019年11月9日 11時) (レス) id: 285da43cef (このIDを非表示/違反報告)
あゆママ(プロフ) - 完結おめでとうございます！(*´∀｀)ヘタレな翔さんが成長していくのが楽しみでした。終わってしまうと寂しいですねぇ〜。歌は息子が大好きで、ピアノでよく弾いていたので知りました(笑)可愛い曲でこちらも好きになりました。また二宮さんのお話もお待ちしています！ (2019年11月9日 7時) (レス) id: ddbf446660 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しおなな
| 作成日時：2019年9月20日 15時
