23話 ページ25
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翌日。
私は早速、万斉の所へ行った。
「万斉ー、いるー?」
「ん?A、何か用でござるか」
万斉は三味線を引くのをやめ、こちらを向く。
作曲してたのかな。
「あ、ごめんね、邪魔して」
「別に良いでござるよ。少しリズムに
詰まっていたところでな」
コト、と三味線を置き苦笑する万斉を見ると、
相変わらずだなぁと思ってしまう。
空いているスペースに座り、本題に入る。
「あのさ、万斉って今日、江戸に行く?」
「一応予定はあるでござるよ」
よし。
「もしよければなんだけど、買ってきて欲しいものがあって」
ほう、と私を見据える万斉。
「自分で行かないのか?」
「行かないよ。外に出たら、晋助を心配させちゃう」
昨日は本当に悪いことをした。
たとえ本人が悪くないと言っていたとしても。
ダメ、かな、と聞くと、「構わないでござるよ」と
万斉は引き受けてくれた。
「これ、全部じゃなくてもいいから」
欲しいものリストを書いたメモを渡す。
「ふむ…、…これは巷で流行りの…」
「昨日、見かけた時…忘れられなくて」
「承知した。楽しみに待ってるでござる」
「ありがとう!」
夜が楽しみだ。
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作者名:高海 | 作成日時:2018年9月18日 18時