壊れやすく輝く (ページ2)

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「じゃ、あたしはこれからライブ行くからそろそろ行くわ」

と席を立つと

「そーなの？せっかくだし俺も行こっかな」

と勝利。

「女連れでいたらあんたマズくない？」

「女？Aが？」

「はぁ？！勝利、生意気になったんじゃね？」

と睨むと

「ウソウソ。大丈夫だよ。バレないって」

私も勝利もそれをあんまり重大なことだなんてあの時はまったく思っていなかった。

でも。

その私達の軽はずみな行動が後に大事件になってしまった。

風磨がかつて歌っていたライブハウス。

Sexy Zoneのおかげですっかり有名なハコになっていた。
今日も満員御礼だ。

知ってるメンツはもう居ない。ただこうしてたまにここへ来て勢いのあるバンドの音にのみ込まれる感覚が好きだった。

「勝利たちがここでやってたの、そんなに前じゃないのに何かすっごい昔の話みたい。」

と私が言うと

「だね。俺はやっぱ今よりあの時の方が楽しかったかな」

と舞台上のバンドの方を見たままそう答えた。

確かに勝利はものすごくバンドがやりたかったわけじゃない。
健兄や風磨が居たから。

「何。もうホームシックとか言わないでよ？」

とからかうと

「俺はAロスなのかも」

と私の目を見て言うからちょっとドキっとしてしまう。

「ばぁか。テキトー言ってんじゃねぇよ」

勝利はふふっと笑い何も言わなかった。