[文豪ストレイドッグス] 未完成の短編集

[中原中也]　傷。<NO.2> (甘) ページ6

中也さんがぼそっ、と呟く。

「結構酷ェな、此･･････」

『そうですかね?

私はそんなに深く考えてませんけど』

其処まで深い傷では無いから、そんなに心配する必要も無い。

其の傷をじっと見ていた中也さんが、不意に傷に触れる。

『っ!』

治療されたとはいえ、未だ痛い。

私は顔をしかめた。

すると、中也さんはにやっ、と妖しい笑みを浮かべ、問いた。

「此処、触ると痛いのか?」

此で嘘をついても確実にバレる。

そう思って、私はこくり、と頷いた。

すると、中也さんはハッ、と笑って、

「なら、俺が消毒してやるよ･･････」

と言って、傷部に口付けた。

『なっ、何してるんですか･･････っ』

「おい、未だ終わってねェぞ･･････」

中也さんが、更に傷口を舐める。

『っん･･････』

何故こんなに感じて仕舞うのだろう。

それを感じとった中也さんがこう言った。

「何だよ･･････そんなに気持ちいいのか?」

『ちが･･････』

う、と言おうとすると、ぐっ、と中也さんに引き寄せられて。

「私は感じてます、って言えよ･･････

痛いけど感じちゃってる変態です、ってよ･･････」

そんなこと、絶っ対に言えない!!

私は慌てて首を横に振る。

「ッたく、んな事も言えねぇのかよ･･････

しょうがねェ、俺が言わせてやるよ」

そう言って、私を押し倒した。

『な、何して･･････』

「前から言おうと思ってたけどなァ、

手前、何時も感じすぎてんだよ･･････

何処まで俺の理性を削るつもりなんだよ?」

そう言って、私の服の釦を１つずつ外す。

「つーか手前、体がやべェんだよ」

1つ、

「他の男も、手前の事ずっと見てる奴がいんだよ」

2つ、

「手前は俺のだって証明してやりてェんだよ･･････」

3つ、

「だから、今からお前を俺の物にす」

「中原幹部、失礼しま･･････」

ガチャ、という音と共に入って来たのは樋口さん。

そして其処にいるのは、中也さんと、彼に押し倒しされた私。

状況を察したのか、樋口さんは、

「あの、えっと、我らマフィアは、敵組織を壊滅しました･･････

す、すいません、失礼しました!」

バタン、という音と共に、樋口さんの「うわああぁぁっっ」という声が聞こえてきた。

「ったく、樋口のせいで調子狂っちまった･･････

仕方ねェ、今日は返してやる

･･････次会うときは、俺の物になんだからな?」

私は照れながらもこくん、と頷いた。

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