[文豪ストレイドッグス] 未完成の短編集

[江戸川乱歩]　可愛いとか言うな。 ページ13

「あAー、お菓子のストック尽きちゃったー

だから買ってきてよー」

乱歩さんは今買い物から帰ってきた私に、そう言った。

所定位置の椅子にドカッ、という擬音が合いような座り方をした乱歩さん。

全く持って、今日も可愛い。

こんな、我儘な処も。

乱歩さんの我儘に、私はドヤァ、という擬音が合いそうな動作。

『もう、そんなこととっくに知ってますよ?』

「えー、じゃあA、買ってきたの?」

『勿論です!!!!』

私が買い物袋を逆さにすると･･････

大量のお菓子。

換算すると、約4,000円のお菓子である。

「あーそうそう此だよ、僕の食べたかったやつ!

有難ね、A」

そう言って、乱歩さんはチョコをぽいっ、と口の中に放る。

笑顔を見ると、きゅんとする。

此が恋･･････なのかなぁ･･････

私は乱歩さんの隣に行って、言った。

『･･････何か乱歩さんて可愛いですよね･･････?』

すると、いきなり乱歩さんの雰囲気が変わった。

「僕が･･････可愛い?何処が?」

『え、っと･･････お菓子食べてる処とか、笑ってる時･･････とか』

「ふぅん･･････」

乱歩さんは少し考えるフリをして、私にこう言った。

「じゃ、此でも可愛いって言える?」

と言って、椅子を回転。

私の方を向いてぐいっ、と私のお腹の辺を引っ張った。

『きゃっ』

と声を発していた時には、もう乱歩さんの膝の上。

「ねぇ、本当に可愛い?僕･･････」

耳元で囁く乱歩さんにドキドキしている。

きっと顔は真っ赤になっている。

私は乱歩さんの問いにふるふる、と横に首を振る。

「よし、それでいいよ･･････」

と言って乱歩さんは、私を膝の上から下ろした。

私はほっとして、乱歩さんから慌てて離れる。

そんな私の背中を見ながら彼は、

「ま、それも今日は、の話だけどね」

と言った事を、是時の私は知らない。

[太宰治]　監 禁という名の愛され方。(超甘)→←感謝の言葉。(本編に関係ありません)

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