8.急変 ページ8
からすが喋るところなんて初めて見た。
まだ落ち着かない胸に、自然と息が上がる。
「からすが、………人の言葉を!……話す……なんて………」
「だから、黙ってて」
そう言えば、さっきからすが彼の名前を呼んでいたっけ?
「お客様は………無一郎って、名前……なんですか?」
尋ねていて気がつく。
あれ?私、何でこんなに息苦しいんだろう?
「っ??……何か、急に……苦しくっ、………はぁっ………はぁっ………っ!」
ジクジクと傷口が痛みを増す。
「っ!」
「霞柱様!!」
バタバタと駆けてくる足音が聞こえてくる。
「胡蝶さんは?」
「しのぶ様は任務なんです!でも、近所だから直ぐに戻ると言っていました!!鴉を飛ばしたので状況は伝わっている筈です!」
チラッと視線を動かすと声の主が私を覗き込んだ。
「急患は彼女ですね!直ぐに手当てを!!こちらへどうぞ!!」
その後の事はよく覚えてなくて。
気が付くと見慣れない天井が私の視界に入っていた。
しかも、夜だった筈なのに明るい。
「………。ここ、どこ??」
起き上がろうとするとズキッと肩が痛んだ。
それでもゆっくり体を起こす。
そこはベッドが幾つか並んだ部屋だった。
病院………?
そう思っていると部屋の入り口から三つ編みの少女が一人中に入ってくる。
私を見るや否や「ハッ」と驚いた顔をして、それから慌てて出口に駆けていく。
「しのぶ様!!昨日運ばれた女性が目を覚ましましたぁぁぁ!!!」
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月見(プロフ) - 香恋さん» いつも読んでくださり、ありがとうございます!褒めて頂いてとても嬉しいです(*^^*)ゆっくりになりますが、更新頑張ります!! (6月26日 7時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
香恋 - 月見さんの久しぶりの鬼滅作品…!!!しかも無一郎くん( ; ; )嬉しいです!!刀鍛冶の里編ロスを埋めて下さいます泣 相変わらずキャラが喋ってる様に台詞が聞こえてきます。続きとても楽しみにしています☺️ (6月25日 23時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見 | 作成日時:2023年6月8日 22時