14.おまけ ページ14
「いらっしゃいませ」
いつものカウンター席に座った無一郎さんに私は挨拶する。
「………もうお店に出てるの？」
いつもの無表情で問いかけてくる無一郎さん。
それでも、尋ねてくれたと言うことは、私のこと覚えてくれているらしい。
「いえ、暫くお休みを貰いました」
「だったらなんで？」
「二階の窓から無一郎さんがいらっしゃるのが見えたので」
お冷やを出しながら質問に答える。
「はい、お待ちどうさま！」
私の代わりに母がふろふき大根とご飯を運んできてくれた。
「注文まだだったと思うけど？」
「私が先に注文を通したんです。無一郎さんはいつも同じメニューを頼まれますから」
告げて私は母と微笑み合う。
そのまま母はお客様に注文で呼ばれて、無一郎さんに「ごゆっくり」と声をかけてから別の机に向かった。
「良く覚えてるね」
「無一郎さんはウチの常連さんですからね」
「常連………確かにここには良く来てる気がする……」
ボソッと呟きながら無一郎さんがお箸を手に取って、ふろふき大根を食べ始める。
「あと、これはおまけです」
告げて、私は小鉢に入った角煮を出した。
「助けていただいたお礼です。……お節介だとは思ったんですけど、いつも同じメニューだと栄養が偏りますし、………それに、あんなに大変なお仕事をされてるので、力が付くものを……と思って………」
言い訳を考えながら話していると長くなって、最後の方はゴニョゴニョと話してしまった。
じぃっと、無一郎さんの綺麗な目がそんな私を見る。
「僕はやるべきことをやっただけ。……気にしなくていいのに」
あぁ、ですよねー。
モグモグと食べ進める無一郎さん。
小鉢には手を付けて貰えないかもしれないと思ったけれど、彼のお箸が角煮を持ち上げた。
そのまま、パクリと口の中に入っていく。
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月見(プロフ) - 香恋さん» いつも読んでくださり、ありがとうございます！褒めて頂いてとても嬉しいです(*^^*)ゆっくりになりますが、更新頑張ります！！ (6月26日 7時) (
レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
香恋 - 月見さんの久しぶりの鬼滅作品…！！！しかも無一郎くん（ ; ; ）嬉しいです！！刀鍛冶の里編ロスを埋めて下さいます泣 相変わらずキャラが喋ってる様に台詞が聞こえてきます。続きとても楽しみにしています☺️ (6月25日 23時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2023年6月8日 22時
