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 薬研様は痛ましいまでの視線を彼に投げかけている。親を同じにする彼らにとって、今の骨喰様の有様はそれは酷いものなのだろう。そしてそんな彼がいうくらいなのだから、鯰尾藤四郎様の容態もかなり大変なもののはずだ。




「わかりました。お受け致しましょう」




 そもそも私は彼らを手入れし本丸を再起動するためにここに来たのだから、この申し出は願ったり叶ったりだ。受けないはずがない。




「……! ほ、本当か」

「ええ、勿論です」




 無理に口角を上げて微笑む。少しぎこちなくなってしまったが、変ではないだろう。骨喰様は、今にも泣きそうな顔をして笑っている。俯き涙を浮かべる姿は痛ましく、健気なものだった。

 それにしても、神様が兵器に懇願するなんて、なんて珍妙な図だろうか。薬研様も奇妙なものを見たかのような目で私を見ている。何やら引き気味だが、気の所為だろうか?




「……それで、鯰尾様はどちらに?」

「あ、ああ、こっちだ。着いてきてくれ」




 目尻に浮かんだ涙を指で払うと、骨喰様は静かに立ち上がった。私と薬研様は寝巻きの上から羽織をはおって、極力音を立てないように彼に着いて行く。

 右、左、右、右、と様々な曲がり角を曲がって歩くと、ひとつの部屋の前に着いた。




「ここだ」




 骨喰様が戸を開くと、むっと濃い血の匂いが廊下に流れ出た。思わず薬研様とふたり、きゅっと顔を(しか)める。

 この匂いの量、明らかに一人分の量ではない。まさかとは思うが、粟田口派全員、ここに詰まっているのでは──




「何をしているのです、骨喰」


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フキ(プロフ) - 好きです!続きがとっても気になります!! (2022年6月15日 23時) (レス) id: 171aa22f7a (このIDを非表示/違反報告)
高橋かかし(プロフ) - あんこもちさん» アーーッそうでした!万死……、 すぐに修正します!ありがとうございました! (2019年12月7日 12時) (レス) id: ad9f3afa3e (このIDを非表示/違反報告)
あんこもち(プロフ) - 鯰尾と骨喰は元大太刀ではなく薙刀では? (2019年12月7日 11時) (レス) id: 1c5e807086 (このIDを非表示/違反報告)
高橋かかし(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります´ω`* (2019年8月2日 13時) (レス) id: ad9f3afa3e (このIDを非表示/違反報告)
0dh38w152yz4d3p(プロフ) - とっても面白いです!更新楽しみにしてます(*^^*) (2019年7月31日 16時) (レス) id: b48a4a1bf4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:高橋かかし x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年11月18日 20時

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