19話 ページ17
ウィリアムとのやりとりを思い出し、ぞくぞくと寒気が背筋を上っていく感覚に、ホームズは思わず背筋が伸びた。
けれど。
ふっと頬が
彼は他には見せないであろう、『男のウィリアム』を見せてくれた。
それが信頼の証のようで、何故かホームズは嬉しくなってしまう。
「ちょっと！聞いてるの？」
「あ？」
「だから！！その他に何を話していたの？って聞いてるの！」
「そりゃあ、男と女が密会してれば楽しい会話の一つや二つするだろ。まあ、お嬢ちゃんには刺激が強すぎるだろうけどな」
のらりくらりとかわされる会話の本質に、流石のAもイヤ気が差すかと思い、ちらっと視線を向けて、思わずぎょっと身を引いた。
ぐっと唇を噛み締め、ホームズを睨み付けているのだ。
「誰？」
「あ？『誰？』」
「誰かが手を回したわね？誰？吐きなさい。ルイス？お兄様？まさかウィルじゃないでしょうね！！」
「おいおい」
あまりの
その勢いに、カフェ中の注目を浴びるがAは気にもしていない様子だ。
「そうなのね？あんの！！一体なんなの？！」
堪えきれない怒りを見ながら、ホームズの感想は『へぇ』だ。
ウィリアムの話とはずいぶん印象が違う。
ふわふわきらきら、お綺麗に愛されているのかと思いきや、想い合いながらもすれ違い、それでもどこかで理解し合っている。
「…もう良いわ」
「貴族が出てきたら貴方だってどうしようもないでしょ」
それがこの国、絶対の
＊
これ以上話すことはないと店を飛び出したAを追いかけるように「おい！待てよ！」というホームズ声が聞こえてきた。
誰も彼も、正直もう放っておいて欲しい。
身の程を知れと突き放しておきながら、行動を監視しているなんて。
どういうつもりかわからないが、この暴走しそうな感情をどう処理したら良いのかわからない。
なんなの。
なんなのよ？！
余計なことはするなって？
私の心配なんか迷惑にしかならないって言いたいわけ？！
「付いてこないで！
八つ当たりぎみにそう叫んだ時だ。
家の玄関から出てきた人が目の端に映った。
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ゆりあ(プロフ) - 一気読みしてしまう程素敵なお話、ありがとうございます！各キャラが光り、ロマンスと悲劇、そしてシャーロック・ホームズのシリーズ独特の空気感が本当にバランスがよく混ざっていて、1回だけの評価じゃ物足りないです。これからも楽しみにしています！ (2020年11月3日 9時) (
レス) id: 45a22d77c5 (このIDを非表示/違反報告)
may - 面白いです！ (2020年6月23日 12時) (レス) id: f06d3bd476 (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈(プロフ) - 面白くて最初から一気読みしました！オリジナルの要素が面白く、かつ世界観やキャラの雰囲気はそのままで、これから先もとっても楽しみです。星10を1回しか付けられないのが残念です。応援してます！ (2020年6月17日 21時) (レス) id: a9fe05af76 (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - とても素敵なお話に一気に読んでしまいました。とても2人の行く末がきになります！お身体に十分気をつけて、頑張ってください。 (2020年4月4日 19時) (レス) id: e522c50a47 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - ななしさん» ななし様へ ご指摘ありがとうございました。訂正しました。 (2020年3月31日 17時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
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