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『私はね、まあ…キーボードの彼女って言えばいいかな。』
『キーボード担当の人の彼女さん、です、か？』
『そう。矢花くんもこれから会うと思うよ。キーボード。』
この人彼女だからここ来てるんだ
なんかうらやましいなそういうの
『その、キーボードの人ってどんな方なんですか？』
正直馬鹿にしているつもりはないけど練習場に彼女を連れ込むような男に関して興味を持ったのも事実だった
先輩は少しうーんと考えた後まあまずかっこいいかななんて言って顔を赤らめた
なんだバカップルかよって思いながら少し下に俯くと先輩の上履きに阿達Aの文字が見える
『阿達…せん、ぱい。』
思わず確かめるように口に出してしまうと先輩は少しびっくりした顔をしてから自分のしたことを思い出して上履きねって俺に言ってきた
『名前言ってなかったよね…阿達Aって言います
よろしく！矢花くん』
そういうと先輩は手を差し出してきたので俺もその手をそっと握り返した
先輩の手は細くて小さくてなんだか握るだけで壊してしまいそうだったからあまり力は込められなかった
俺は女の人と二人きりの空間になんだかあたふたしていたけど先輩は何も気にする様子なく俺にお茶を出してくれてここで一緒にキーボードとギターを待とうかなんて提案してくる
『もうすぐ来ると思うんだよね…あ、ほら足音聞こえるでしょ？きっと二人とも戻ってきたよ』
先輩の言う通り少し忙しなさげな足音がどんどんと視聴覚室に近づいてくる
『ここって視聴覚室なのに外の音はっきり聞こえるもんなんですね』
『そうだな〜ここ視聴覚室だけどあんまり防音って感じじゃないから演奏してたら普通にこっちの音も外に漏れちゃうんだよね』
さっき音が聞こえなかったのは視聴覚室だからじゃなくて誰も演奏してなかったからなだけか
俺と先輩が少しの間他愛もない話をしていると部屋に備え付けられているの重めのドアがギイっとすごく嫌な音をしながら開いた
『あれ？A？今日早かったんだね』
そう言って先輩を覗き込むのはすごく顔の綺麗な男だった
男はやがて視線を先輩から俺にずらしてどちら？と先輩に聞いている。
『えーっと、一年生であってるよね？こちら、矢花くん
軽音部入りたいらしいよ』
『…楽器は？』
後ろからぬっと出てきた人…は
真っ白な肌に綺麗な金髪の頭をしていて俺はこの世界の人間かと少しぎょっとしてしまった
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マリエ(プロフ) - 海宙さん» 身に余るお言葉を頂きありがとうございます！これからもよろしくお願い致します！ (2022年2月24日 18時) (
レス) id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
海宙(プロフ) - とても綺麗な作品で毎回読むのが楽しみです。これからも無理の無いペースでの更新を頑張ってください。 (2022年2月23日 0時) (レス) @page50 id: c037788408 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マリエ | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/taka231
作成日時：2022年1月26日 9時
