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*〜side 隆二〜 ページ35

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「今市さーん、複雑骨折の調子はどうかしら?」









「……は?」









「は?じゃないわよ!折れちゃったんでしょ?ボッキボキのグッチャグチャに!痛いのぉ?」









細い脚を組みサングラスの柄の部分を中指でグッと押し上げる岩ちゃん









「なにキャラ?」









「美人女医。しかも、ボインの。好きでしょ?隆二さん」









「…………好き」









「白衣にピッタリしたシャツでボタンはー、やっぱ第二くらいまで開けてる感じ?」









「あーやばいねそれ!もちろん下はピチピチのミニスカでしょ?」









「っかぁー!好きになっちゃうー!黒髪ロングかき上げてーお注射して欲しいー!」









男のロマンは止まらない。









「黒ねー。俺は栗色セミロング………女医姿とか………ヤバイ」









俺って、イタイ奴。









「今市さーん、今、誰を想像しちゃったのぉ?」









「…………………ナイショ」









「もーダメ!暗い!隆二さんにはギブスが必要だよ!骨折した心を支えてくれるギブス!今日の合コン、隆二さんも行こう?」









「合コン!?………いいよ、俺は。別に出会い求めてないし」









「そんなんじゃいつまで経っても忘れらんないよ?女で出来た傷は女で治せだよ!強制だからね!絶対だよ!」









忘れたいよ、俺だって。









正直今はAちゃんに会いたくないし考えたくない









嬉しそうに敬浩さんの話をするAちゃんに腹が立つ









自分勝手な感情だし、ただの嫉妬。









彼氏が出来たくせに、なんで俺に優しくすんの?









俺が冷たくしたって平気な顔してくれりゃいいのに、なんで悲しそうなんだよ。









思わせぶりなことしてるって気付いてんのかな。









「岩ちゃん………やっぱ……」









考えてたらまた腹が立ってきて、今日は飲んで忘れたい、なにもかも。

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作者名:taka | 作成日時:2016年3月17日 18時

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