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『…ん』

午前2時、例のごとく彼の家で事を終え疲れて眠っていた私は物音で目を覚ました。

玄関からガチャガチャと鍵の音がして、私はゆっくりと目を開けた。

部屋はしんとして人の気配がなかった。

今のは安室さんが出ていった音なのだと分かった。

…どこに?

組織か探偵の仕事だろうか?それとも…

疲れているのか、私はどんどん思考が悪い方へ流れていくのを止められなかった。




例えば、もしも、女性の所へ行っていたら?




…嫌だ。

しかし、彼女でもない私がとやかく言えた事じゃない。

だってもしかしたら、そっちが本命の彼女で、悪者は私かも知れない。


そんなことをもやもや考えながら、私は夜が開けるまで起きていた。








彼が帰ってきたのは6時過ぎだった。

私はベッドから起きて玄関に向かう。

「あれ、A、起きてたんですね」

私は何も言わずに彼に近づく。

女物の香水の匂いが鼻孔をかすめた。

『…どこに行ってたの?』

私がいつもはしないような質問に、彼が一瞬たじろいだのが分かった。

「えっと、探偵の仕事で、」

…へえ、探偵の仕事で首にキスマークなんて付けられちゃうんですか。

そう言いそうになるのをぐっとこらえて、私は『そっか…』とだけ答えた。

彼はお風呂に入ると言い残して脱衣場へ向かった。

すれ違いざまにタバコの匂いがする。

…安室さんは、タバコなんて吸わないのに。









…やっぱり彼は私を道具としてしか見ていない。









いつもいつも急に居なくなったと思ったら毎回違う女性の匂いをつけて帰ってくる。







私はどうしたってその中の1人にすぎないのか。









シャワーの音を聞きながら、悲しくなって。







私は1人、泣いた。

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設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
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ピカチュウ - 面白いです!!安室が、目を覚まさないまま終わりは嫌です。だから、更新頑張ってください!!! (2020年9月15日 6時) (レス) id: 59772e939d (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - 続き待ってます! (2020年8月20日 11時) (レス) id: b4debc2124 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 続きが気になるところで終わらせますね!?更新頑張ってください! (2020年6月5日 11時) (レス) id: da120451b3 (このIDを非表示/違反報告)
MONACA(プロフ) - 続きはないんですか??? (2020年4月13日 14時) (レス) id: 21fce29ea8 (このIDを非表示/違反報告)
空白@吹部@Tp@不定期浮上(プロフ) - こういうラストってありなんですか、、、!?(混乱) (2020年4月11日 7時) (レス) id: 16e27b9642 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:椿 | 作成日時:2020年1月29日 14時

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