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「あれ、Aさん」
それはとある日曜日、米花町の隣にある杯戸町へ出かけていた時の事だ。
ショッピングモールの中でたまたまコナン君と出会った。
最近は安室さんと会わないために杯戸町で用事を済ませる事が多く、ポアロにも行っていないためコナン君と会うのは久しぶりだ。
『コナン君、何してるの？』
「蘭姉ちゃん達と映画見に来たんだ」
このショッピングモールには映画館も入っている。目の前に広がる人の行列は、恐らく今日公開の映画の影響だろう。
『そうなんだ』
「あ！Aさん！」
『蘭ちゃん、久しぶり』
「お久しぶりです！」
蘭ちゃんが変わらぬ笑顔で私に駆け寄ってくる。
最近会ってなかったが2人とも元気そうでなによりだ。
「蘭ちゃん！どないしたん？」
突然、蘭ちゃんの後ろから関西弁の可愛らしい女の子がひょっこり顔を出した。
見ると、その後ろの褐色の男の子も私を不思議そうに見ている。
「知り合いか？」
男の子が蘭ちゃんに尋ねた。
「うん、ポアロの常連さんなの」
お互い蘭ちゃんに丁寧に紹介され、私達は初めまして、と頭を下げた。
「Aさんは何してるの？」
買い物だよ、と私が言い終わるか終わらないかのタイミングで、近くで大勢の悲鳴が上がった。
全員弾かれたようにそちらを見ると、覆面を被った男達が数人の女性や子供を人質に取っている。
口々に楽しげなお喋りをしていた客は全員押し黙り、辺りの空気はぴんと張り詰めた。
「全員、跪いて携帯を出せ！」
リーダー格の犯人の大きな声に、私達を含め皆が静かに従った。
私も携帯を取り出し、回収に来た覆面男に手渡す。
「…おい、工藤」
くどう？
その声に目を向けると、服部君がコナン君に話しかけていた。
2人は私が辛うじて聞き取れるくらいの小さな声で作戦会議と推理合戦を行っていた。
工藤という呼び方に疑問を感じつつも、目の前の事に意識を戻し、私も1人で推理してみる。
まず、1番引っかかるのは、何故こんな大きなショッピングモールの端を占拠したかという事だ。
金が狙いなら、もっといい場所を選ぶはずだ。例えば銀行とか。
わざわざこの場所を選んだのは、彼らには何か独自の狙いがあるからと考えるのが自然だ。
それから、犯人があまりにも軽装なのも引っかかる。
銃を持っているのはリーダーを含めた数人。
私は近くを歩く1人の覆面を注意深く観察した。
「おい女、何見てる」
気づいた男が私に銃を向けた。
『…何も』
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椿 - えだまめさん» コメントありがとうございます！！多分どんどんグダグダになっちゃうと思うのですが、変わらず応援してくれたら幸いです！ (2020年1月29日 12時) (
レス) id: 55324010a1 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ - おもっしろい！夢主ちゃんと安室さんのすれ違いが凄くてもどかしい。でもそのムズムズ感も楽しいです！ストーリーもしっかりしてるけど、サクサク読める速さの流れなので毎回毎回が気になります。更新頑張ってください！応援しています！ (2020年1月28日 17時) (レス) id: e05e54b6fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椿 | 作成日時：2020年1月16日 19時
