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「あっ！安室さん！！」
コナン君と安室さんの不穏な空気を破ったのは、園子ちゃんの高らかな声だった。
「…と、Aさん…てことは…」
私がその声に振り向くと園子ちゃんは何を勘違いしたのかにやにや笑って、安室さんに耳打ちした。
そのまま御手洗に入っていく。
安室さんは私をじっと見て、「抜けませんか」と告げた。
『えっ？』
「このパーティー、抜け出しませんか」
『勝手に抜けるなんて…園子ちゃんに一言いわなきゃ…それに、安室さんも何か理由があってここにいるんじゃ…』
「その園子さんが、許可を出しましたよ…それに、僕の仕事はもう終わりましたから」
園子ちゃんが安室さんに耳打ちしたのはそういう内容だったらしい。
「…Aさんがドライブにつきあってくれるなら、何でも1つ質問に答えますよ」
『何でも…ですか？』
「何でも、です」
コナン君は何か言いたそうな顔をしていたが、私はその提案を了承した。
安室さんの愛車に乗り、しばらく経って辿り着いたのは展望台だった。
『綺麗…』
満天の星空。そして車やビルの光。静かなこの場所から見ると、忙しない大都会も小さく見えた。
「ここは、僕のお気に入りの場所なんです」
目を細める彼の色素の薄い髪が風に吹かれて靡いた。
『…聞いてもいいですか』
「…はい」
安室さんはなんでも質問に答えると言った。
私は車の中で何を質問しようかずっと考えていた。
脈が早くなるのを感じる。
『…安室さんは、黒の組織の一員…ですか？』
手に嫌な汗をかいていた。
「…はい」
安室さんははっきりと肯定した。
否定して欲しいと思いつつ、心のどこかで分かっていた事だ。
今更落胆なんてしない。
「…僕も、聞いていいですか」
『なんですか？』
「…Aさんは、僕に秘密にしていることは、ありませんか」
秘密にしていること。彼はターゲットだったから、私から随分話しかけた。
大学院へ行っていることも、年齢も、何一つ嘘はついていない。
一つだけ言っていないことと言えば、元FBIという事実だけだ。
「…いいえ、」
ありません、と答えた私に、彼は「…そうですか」とだけ答えた。
少し、悲しそうに見えた。
彼は正直に話してくれたのに、自分だけ隠すことに罪悪感があった。
その後、安室さんは紳士的に私を家に送り届け、鍵を返してくれた。
「それじゃ、おやすみなさい」
『…おやすみなさい』
RX-7は暗闇に消えていった。
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椿 - えだまめさん» コメントありがとうございます！！多分どんどんグダグダになっちゃうと思うのですが、変わらず応援してくれたら幸いです！ (2020年1月29日 12時) (
レス) id: 55324010a1 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ - おもっしろい！夢主ちゃんと安室さんのすれ違いが凄くてもどかしい。でもそのムズムズ感も楽しいです！ストーリーもしっかりしてるけど、サクサク読める速さの流れなので毎回毎回が気になります。更新頑張ってください！応援しています！ (2020年1月28日 17時) (レス) id: e05e54b6fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椿 | 作成日時：2020年1月16日 19時
