太陽の光、詰め込もう【十四松】 (ページ15)

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＿誰だろうページ15

取りに戻ろう…

急いでパンにかぶりつき、食べ終わる。

お行儀悪いけど、いいか。

鍵だけ持って家を出て走り出す。

すると、十四松の家の物干し竿に私のコートが。

あっ……あれ、日に当てて干したら色落ちしちゃう…

通勤時だけ外に出るからと考慮して買ったのに…

｢ごめんくださぁい……｣

蚊の鳴くような声でお邪魔した…

筈なのに、お母様には聞こえていたらしい。

｢あら、彼女ちゃん候補じゃないの！
結婚する気になったのかしら。

誰でもいいから、早く孫の顔が見たいわ！｣

彼女候補と言うのに、結婚する気になったのかと聞くんですね。

そして誰でも良いんですか。

でも、耳が痛い…

自分の母にも言われることだから。

｢あ…はは。

コートを取りに来ました…
どうもすいません…｣

｢いいのよ、何時でも来てちょうだい。｣

ついでに、うちのニート達も貰って行って頂戴

と冗談交じりに言われたが、素直に笑えなかった。

私もニートだとは…到底言えっこない。

絶対に…言えない。

ふふふ、と笑って誤魔化しお庭に足を踏み入れる。

すると、素振りをする人が。

誰だろう。

私を見た時の反応と、声を聞ければ見分けられるんだけどね。

｢あっ！！
Aちゃんだ！！｣

｢十四松…ですよね。｣

｢正解っ！！凄いねー！｣

…声を聞いたからなんだけどね。

こんな明るく笑ってる人に告げられないけど。