こんな気持ちは初めてで2 ページ2
「・・・・・・誰もいないけど？」
すでに汗だくのAは自分の背後をしっかり確かめ震え声で答えた。
Aの反応に千空はクククと小笑いした。
ゆっくり立ち上がりAを見下ろす。つられてAも中腰に後ずさる。
数秒後、後ろでコン、と２つの音がした。
Aの後頭部が部屋の壁に当たった音と、千空の掌が壁に当たる音。
千空はAを壁にしっかり押し当ていつもより数倍低い声でささやいた。
「何寝ぼけてんだよ、お前」
背筋がぞくっとした。
うまく状況が飲み込めていないAは千空の鋭い視線に、珍行動に、忙しく目を動かした。
「あ、の、せ、せんくうさん…？」
千空は先ほどから1ミリも表情を変えていない。
そして先ほどよりさらに顔が近くなっている。この男はいったい今から何をするつもりなのか。
Aの心臓は爆発しそうな勢いで波打っていた。とにかくなんとかこの状況を理解しようとフルスロットルで脳を動かした。
「冗談にしては、意味がなさすぎない？」
フルスロットルの結果は残念なものだった。
ここまできても勘付かない鈍いAに千空の両頬は引きつっていた。ひとまず、いまのAの脳内は混乱を鎮めるため今から素数を数えると決心したところだ。身体的な距離はいまだかつてない近さなのだが、精神面にはとんでもない高低差がついていた。
「ったく、さっきも言っただろ利点なんかねぇんだよこういうのはよ」
「ほら、顔あげろ」と、千空に顎をくいっと片手で操作される。
一気に千空との距離を感じてしまいAの顔はみるみる赤く染まった。
「む、むりでしゅ」
Aの顔面の限界を迎える前に千空の顔が降りたとうとしたが、それはAの両腕によって阻まれた。顔面を大々的に抑えられた千空は意外にもクククと不敵な笑みを浮かべていた。
「合理的に考えないの？」
Aも千空に負けじと笑みを浮かべてみた。いつもの千空だったらこんなヘマはしないはずだ。こんなごく平凡な娘に恋心を抱いてあまつさえ手を出すなど全く無意味にもほどがある！
後でどやされるのは千空なのだ。
「クククそれはこっちのセリフだ、そもそもこんな夜中に一人丸腰で男の部屋にくるっつーのがまず合理的じゃねぇ 一体なんのつもりだったんだ？言ってみろよ」
「そ、それは」
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たいやき(プロフ) - 小麦粉さん» ありがとうございます！何か思いついたらまた更新できるようにします！ (2019年12月16日 3時) (
レス) id: 19c5eaa8c0 (このIDを非表示/違反報告)
小麦粉(プロフ) - はしまして！全作品読ませてもらいました！凄い好みで読めて嬉しかったです。続きを待ってます！ (2019年12月15日 8時) (レス) id: 738efae2c3 (このIDを非表示/違反報告)
たいやき(プロフ) - いちかさん» こちらこそリクエストありがとうございました！感想も嬉しいです！^_^ (2019年11月29日 6時) (レス) id: 19c5eaa8c0 (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - たいやきさん» こんにちは。hとχの続き、読ませて頂きました！こんなに早く上げて頂けるとは…本当にありがとうございました！千空が自分をヒョロガリと称するの可愛いかったです笑 (2019年11月26日 14時) (レス) id: 1198a4bf74 (このIDを非表示/違反報告)
たいやき(プロフ) - いちかさん» ありがとうございます。私も学生時代に想いを馳せたつもりです！笑 リクエストありがとうございます。後ほど書いてみたいと思います！ (2019年11月19日 20時) (レス) id: 19c5eaa8c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たいやき | 作成日時：2019年10月24日 11時
