ねぇ、京本くん。

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スーパーから歩いて10分ほどでたどり着いた京本くんの家


私の家からもそう遠くない場所にあるアパート




中に入るとまだ手のつけられていないダンボールや

脱ぎ捨てられた洋服が置いてある




京「やっべぇ片付けてなかった！」



突然あたふたしだす京本くんに思わず笑ってしまう






なんとか片付け終わったらしい京本くんは


キッチンに立ち料理をする私をじーっと眺めている



リズムよく卵を混ぜる私の手元を珍しいものでもみるかのように

眺める京本くんはキラキラ目を輝かせている



『そんな見られてると集中できないよ(笑)』



京「え、あぁごめんごめん！なんか誰かが料理してる姿みるの好きなんだよね」




口では笑いながらも瞳の奥が少し暗く笑っていない京本くん


その姿できっと何か訳ありなんだろうなって悟る




高2という中途半端な時期に転校

しかも一人暮らし


何もないわけがない。



『でも出来上がってからのお楽しみだから！まだ手つけてないダンボール整理してきたら？』



京「出来上がってからのお楽しみかぁ。
じゃあできあがったらすぐ呼んでね？」



って私の頭にぽんと手を置き顔を覗き込みながら言ってくる京本くん



『うん、』


私今顔赤くなってないかな、



ニコっと笑い部屋に行く京本くんの後ろ姿を見つめる




京本くんの行動に胸がきゅーっと締め付けられる



いや、京本くんの行動にじゃない



また京本くんと重ねてしまったあの人に


胸が締め付けられたんだ




2年以上の前の出来事に私は未だに閉じ込められている

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