果てしなく続く空の下で【1】

迷子 ページ41

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ





そうチャイムが鳴ったのは




電話を切って一時間たった今



道混んでたのかな？






「玉森さん大丈夫だった？」





玄関開けて


変装ばっちしの玉森さんに


そう問いかける。





そしたら、


なんでもないように



ケロッとした顔で




裕太「ごめんね、遅くなって。道迷ってさ。」



「へっ？」


裕太「電話しようとしたんだけど迷子ってダサいよね。」


「ふふっ。やっぱり、玉森さんって面白い。」



裕太「馬鹿にしたでしょ？ほら、行こう？」






頬を膨らました玉森さんが


可愛くて


無意識に見てたら



照れくさそうに後ろ向いて歩き出すから




急いで私も後を追った






何してるんだ、自分。

これって


彼カノのする行動じゃない？





でも玉森さんって


そういうの気にしなさそうだから


いっか……。








二回拝見したこの車。



そういやこの前



私専用のタクシーなんて言ってたな



そんなの贅沢すぎでしょ、私。







裕太「シートベルトした？」



「うん。大丈夫。」



裕太「じゃ、出発。」


「ふふ。」






玉森さんて


車走らせる時



絶対、出発って言うんだ。

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