果てしなく続く空の下で【1】

助手席？ ページ35

裕太「Aちゃん。」



「こんばんわ。」



裕太「こんばんわ。こんな大雪に何してるの？」



「えっと、タクシー待ってて……。」



裕太「来ないでしょ。」



「どうでしょうかね。」




確かに

ここの道路


タクシーすら、

車もそんなに走ってない。




除雪されてるみたいだけど。


無駄ってぐらい



通らないからな。






裕太「乗りなよ。」


「え？いや。」


裕太「こんなんじゃ、いつまでも帰れないよ？」


「お言葉に甘えます。」








玉森さん、ふわって笑って


助手席開けてくれた。





「え？」


助手席いいの？


写真撮られたら大変。




裕太「大丈夫。この変装でバレないでしょ。」



「ふふ。」



マスクと帽子の上に


ダテ眼鏡かけた、玉森さん






行動が、かわいいな。


太輔なら


普通に後部座席なのに。







裕太「場所教えて？ナビ入れるから。」


「あ、はい。」





玉森さんに、


住所教える。



裕太「ん、じゃあ出発。」







隣で鼻歌うたう


玉森さんが可愛くて




裕太「何、笑ってるの？俺、そんな鼻歌ヘタ？」


「え？ちがくて……可愛いなぁって。」



裕太「可愛いってな……。っていうか、Aちゃん、タメ語でいいのに、俺年下だよ？」


「えっ、あ、そっか。」


裕太「あ、今頃だけど俺敬語使わなくていい？」


「ふふ、むしろタメ語がいい。」



玉森さんの


敬語って想像つかないなぁ。

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