果てしなく続く空の下で【1】

醜い自分。 ページ29

太輔「俺、アイドルじゃん……？月に一回会うっていうのもハードなわけ。」


咲也「……。」


凛「……。」



「……。」









太輔じゃないような





冷めきった




温もりが感じられない声色。





でも、



それでも




真っ直ぐに私たちを見上げる太輔。









太輔「だから、その一日彼女に捧げようと……思って。」


咲也「……。」


凛「そ、じゃあもういいね。」


「凛ちゃん？」








太輔「……。」


凛「今まで太輔のこと応援してたの馬鹿みたいになっちゃった。」


咲也「そうだな。」



「……。」









太輔「……っ。」



凛「勝手にしなよ。こんな身勝手な奴と思ってなかった。」



咲也「今までハードな一日味わせて悪かったな。」



「咲也？凛ちゃん？」







太輔「……。」


凛「じゃあ、私これで。」


咲也「俺も。せいぜい頑張れば？」


「ちょっ……。」







無茶苦茶になって


閉まった扉。




残されたのは、太輔と私だけ。








「皆、ショックなだけだと思うよ……。」


太輔「……。」






なんで、太輔のこと


励ましてるんだろ。





辛いのに


苦しいのに。





でもね、



太輔の笑顔見れなくなる方が



もっと、辛くて苦しい。




太輔「……。」


「……お幸せにね？またいつか会えたらいいな。」






それだけ言って静かに


店出た。





無理だよ。涙止まんない。


好きだよ？太輔。


結局言えなかったな。



沢山変な期待して


変な余裕もったり



醜い自分だけが頭過る。

恋の思い出。→←馬鹿だな。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す