20 いってらっしゃい ページ21
普段
コーヒーなんて飲まないから
体まで震える私を見て
みつ「ガキー」
って、笑う
「みっくんだって苦いって言ってたのに//」
みつ「てかお前、電車大丈夫なん？
どっち行きよ。」
「2番線」
みつ「あー、同じか。」
じゃあ、大丈夫かーって
コーヒーを飲み終えて
ふたりでホームへ上がると
タイミングよく電車が来た
「混んでるんだね。」
入社式のときは、この電車じゃなかったから
初めての通勤電車
ギュウギュウというほどじゃないけど
もちろん座れるわけはなくて
吊革を掴みながら立っていた
ガタッ
電車が揺れる度に足元がふらつく
みつ「大丈夫か？」
そんな私の腕をつかんで支えてくれるみっくん
電車が走ってる間中
感じるみっくんの手の感触
なんか顔が暑くなってくる//
みつ「電車乗るとあちーんだよな。」
そんな私を見ていうみっくんは
私が赤くなっている理由を
完全に履き違えている
みつ「じゃあ、俺、次だから。」
２駅ほど乗ったところで言う
「乗り替え？」
みつ「うん。今日はな。
直接会社行くときとは
もうちょい乗るんだけど。」
取引先に寄ってくって言ってたっけ
みつ「じゃあ、行くわ。」
開いたドアへ向かう彼に
「いってらっしゃい」
って言うと
みつ「おう。お前もな。頑張れよー。」
って、電車を降りて行った
いってらっしゃい//
なんだ特別な言葉な気がして
胸がいっぱいになった
プシュー
電車が走り出すと、人混みを避けるように
座席の前へ立つ私の脇に人が流れてきた
「あれ？」
その声に隣を見上げると
スーツをまとった長身の男性
フワフワの髪が朝日にすける
「藤ヶ谷先輩！」
驚いて思わず大きな声を出すと
人差し指を口元に当てて、シーって
「すみません//」
藤「家、この辺なの？」
「はい//ここからふた駅隣で……//」
こちらを見下ろす色っぽい視線と
低い声にドギマギしながら答える
入社して２日目、あの藤ヶ谷先輩と
プライベートな話しちゃってる//
「藤ヶ谷先輩は……//」
藤「俺はさっきの駅。
てか、家近いんだね。」
って、なんか少しだけ嬉しそうな先輩
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もも(プロフ) - ミィさん» コメントありがとうございます☆そう言って頂けてとても嬉しいです(^^)私自身が切ないのが好きで…現実にはきついですが、物語なので(￣∇￣*)ゞこれからも気長にお付き合いください(*^^*) (2019年5月6日 21時) (
レス) id: 0e833b3ebd (このIDを非表示/違反報告)
ミィ(プロフ) - 新作、嬉しいです。ももさんの作品は切ないものが多いですが、とても大好きです。今回は最初からもう、切なくて・・・今後も楽しみにしていますね。 (2019年5月6日 17時) (レス) id: 1dbee522b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もも
| 作成日時：2019年5月5日 0時
