君の隣で 12

最後の嘘 ページ45

裕太side







これは本当……昨日だって俺を好きだと

言ったのはいつもの嘘だと思った









「俺さ……しばらく前からAのこと

好きなのか分からなくなってた……

でも、昨日はっきりしたよ。







昨日、Aに言った言葉は全部、嘘。

でも……嘘ついてお前抱くのに罪悪感なんて

なかった。」









みるみる涙目になっていく









そうだよな……見知らぬ男にされたのと

同じことされたって思ってんだろうな……








……でも、ここで折れたらダメだ








「だから、分かったの……

もう、俺……お前のこと好きじゃないわ。」









そう言った瞬間、こらえていた涙が頬を伝った

それをきっかけにポロポロと涙を流し始めた









……泣くなよ……そんな目で俺を見るな









「それ……外せよ」









どんなときもつけてくれていたネックレスを

指差した









嫌がるようにギュッと手で握る









「外せって！」







その手をどけて、思いきり引っ張った






パンッ……







チェーンが弾けとんでネックレスが下に落ちた









Aを見ると震えてる……







あぁ……やっぱり怖がるよな……







Aにした数々のことを思い出した







怖がらせたくなんかない……

でも、今は好都合だ……こうでもしなきゃ……

Aは、きっと俺を嫌いにならないから









「もう降りて……」








そちらを見ずに言った









怯えた目をして俺を見ると下に落ちた

ネックレスを拾い上げ、車を降りようとする








行くな……！








気付いたら、咄嗟に手を掴んでいた






やべ……思わず……






その手は小さく震えていた








「これ……返すから。」








Aの部屋の合鍵を手渡した






「俺のは、ポストにでも入れといて」








そう言って、力なくその手を離した








彼女はそのまま車を降りて、建物の中へ

入っていった

その間、1度もこちらを振り向かなかった

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