STORY28 土方の心配事(1) ページ30
総悟君が、送ると言い出した。
でも彼はずっと付き添っていてくれたし、これ以上厄介になるわけには…。
それに。
「オイ総悟。てめーは手当まだだろが。」
「…待っててくれやせんか、Aさん。」
「Aの家だって心配してんだろ。あんまわがまま言うな総悟。」
「Aさん…。」
土方さんは嗜めてくれようとしていたけど…総悟君は私のこと心配してくれているんだと思う。
「…いいよ、特別ね?」
腫れた目で、意地悪くニィーと笑ってみせた。
___私は、大丈夫だよ。
「やった! すぐ終わらせてきまさァ!」
「おめーは本当…すまねえなA。」
「いえいえ、可愛い総悟君のためですから。」
久しぶりに見た可愛い姿に、思わず笑みが溢れる。
ふふふ、こうしていると、年下なんだけどなぁ。
はやく、戻ってくるといいな。
目の腫れ跡を消すために、一生懸命温かいタオルと冷たいタオルを交互に目にあてる。
…家に帰るまでには消したい。
「なあA。」
「何ですか? 土方さん。」
「っあー…その、なんだ。言いたくなきゃいいんだが。」
「総悟君のことですか?」
「ああ。…惚れてるのか?」
「ふふ、直球ですね。…惚れてる、みたいです。」
タオルを変える手を止めて、土方さんの目を見つめる。
少し面食らったような顔が見えた。
自分で聞いたのに、そんなに驚くことだろうか。
「わり、本当に答えると思わなくて驚いただけだ。…あと、その顔は総悟にしてやれ。」
どの、顔だろうか。
わからない。
「A。アイツは真選組だ。しかも1番隊隊長。…中途半端に女に現を抜かされちゃ困るんだ。…わかるだろ?」
緊張が走る。
離れろ、とか言われるのかな。
「だが、アイツに大切なものができるっつーのは喜ばしいことだ。」
…あれ?
結局何が言いたいのかわからない。
言葉の続きを促すように土方さんを見つめる。
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たいる(プロフ) - わかさん» こっちにもコメントくださってたんですね!笑ありがとうございます。笑っていただけて良かったです笑笑 (2021年7月11日 17時) (レス) id: 14bca84003 (このIDを非表示/違反報告)
わか - ミョウバンは笑った!!笑笑 (2021年7月7日 21時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たいる | 作成日時:2021年1月8日 0時