検索窓
今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:98,360 hit

STORY27 ちょっと進展…? ページ29

「そのままの、私…?」


女が躊躇なく人を刺すところなんて、本当は見せたくなかった。
家のこと話すのも、怖かった。
なのに。

抱きしめてくれた総悟君の体温に安心した。
彼の力強い腕が、私の身体を包んだことに安心した。


「ちょ、Aさん。…泣かねーでくだせェ。」


いつの間に溢れ始めたソレを、いつの間にか解かれていた手で拭われる。


「ご、ごめ…見ないで…っ。」

「いーや、見せろ。…その涙は、悲しいものじゃねーだろ?」

「…う、ん。あり、がと…っ。」

「は、泣き顔は子供みてーだ。」


彼は、なぜか幸せそうに笑った。
本当に、5つも年下なんだろうか。







「…落ち着きやしたか?」


今回のテロは総悟君を狙ったテロらしく、真選組はやっぱり危ない仕事だと思い知った。

今は病院。
総悟君は擦り傷や浅い切り傷がついているから、手当を受けるために。
私は彼のおかげで大した怪我はないが、念のためだそうだ。


__ソイツは俺の連れでィ。
__こえー思いしたみてーだから、俺が付き添う。


彼は本当っぽい嘘で、泣き止まない私のことを守ってくれた。


「ごめん、泣いたりして。久しぶりにこんなに泣いたかも。」

「たまには、いいんじゃないですかねィ?」


ふふ、ありがとう。
少し楽になった。


「総悟君、改めて守ってくれてありがとう。浪人のことも、付き添ってくれたことも。」

「別に、大したことじゃありやせんよ。」


…やっぱり好きだなぁ。
叶うはずもないのだけれど。


「なァAさん。…俺ァやっぱAさんの弟かィ?」


唐突な質問に驚いた。
…弟だとすぐに言えなかった。
本当は言うべきだったのかもしれない。

なのに彼の自虐的な表情を見て、口から溢れたのは。


「弟じゃ、ない。…総悟君は弟じゃないよ。」


総悟君も驚いたのか、目を丸くした。


「そいつはどういう…。」


「よう、総悟、A。」

「ちっ土方邪魔しやがって。」

「オイ今舌打ちしたか? 部下の安全を確認しにきてやった優しい上司に向かって?」


話は終わってしまったけど、まあいいかと思う。

土方さんと総悟君の絡み。
話には聞いていたけれど初めて見た。
…楽しそうだなぁ。


「…じゃあ、私はそろそろ。」

「ああ。怪我なくて良かった。気をつけて帰れよ。」

「ありがとうございます土方さん。」


邪魔しちゃいけないし、おじいちゃんもおばあちゃんも心配してるだろうから。
そう思い踵を返した。


「俺が送る。」

STORY28 土方の心配事(1)→←STORY26 本当の姿



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (62 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
194人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 団子屋   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

たいる(プロフ) - わかさん» こっちにもコメントくださってたんですね!笑ありがとうございます。笑っていただけて良かったです笑笑 (2021年7月11日 17時) (レス) id: 14bca84003 (このIDを非表示/違反報告)
わか - ミョウバンは笑った!!笑笑 (2021年7月7日 21時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たいる | 作成日時:2021年1月8日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。