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大輝サイド
大輝「(マズイ!)そこの男の子!森に入っちゃダメだ( ; ﾟДﾟ)!」
俺の呼び掛けに聞こえなかったのか､男の子は行ってしまった｡
止めないと…!これ以上､被害者を増やす訳にはいかない!!
森に入って､木々の中を走りながら男の子の後を追っていくと､やはり湖に辿り着いた｡
男の子「助けてぇ〜(＞_＜)!!」
悲鳴が聞こえて湖の方を見ると､男の子が湖から出てきた黒いシルクの布に巻き付かれていた｡
このままでは､引きずり込まれてしまう!
男の子「うわぁぁぁ(＞_＜)!!」
大輝「ぐっ…!」
引きずり込まれる前に､俺は走って何とか男の子を押さえた｡
大輝「ちょっと､じっとしてて」
俺は短剣を出すと､男の子に巻かれている黒い布を切っていった｡
解放された男の子は怖かったのか泣き出してしまい､俺は「もう大丈夫」と優しく抱きしめて頭をポンポンする｡
大輝「さぁ!ここは危険だから､逃げるんだ!」
男の子「う､うん!ありがとう､お兄ちゃん!」
男の子は頷くとランドセルを持って､逃げていった｡
お巡りさん「よくも､女帝様の獲物を逃がしたな!」
声と一緒に､慎太郎さんと交代して､
見張りをしている筈だったお巡りさんが現れた｡
両手には爪が付いた手袋を嵌めており､俺も短剣を出して構える｡
うん?あの手袋､見たことがある｡
大輝「それは籠手!?という事はあんた､ルガン一族の人魚か(｀へ´)!?」
お巡りさん「ご名答｡俺はルガン一族の人魚で､この湖の女帝様の
女帝様…カイゼリン・セイレーンの事か｡
お巡りさん「街の交番のお巡りに成り済まして､隙を見ては規制線を外して､女帝様の歌声で獲物を誘き寄せていたんだ!」
大輝「湖に引きずり込まれた人達は!?」
お巡りさん「さぁな｡女帝様に捕食されただろうよ｡俺は知らないし､関係のないこった」
ルガン一族は､セイレーン一族に仕える人魚だと､
湖の奥底に住んでいた頃に､授業で聞いたことがある｡
カイゼリン・セイレーンめ…罪のない人間達を､こんな目に合わせるなんて…!
この場で決着をつけてやる!!
大輝「この湖は元々､俺達オンディーヌ一族の住処だ!俺達の場所を返してもらう!」
お巡りさん「お前､オンディーヌ一族の人魚だったのか｡なかなか威勢の良い人魚だ｡でも､お前のような人魚が女帝様に勝てるのか?」
俺をバカにしているのか!?
俺には､特別な楽器があるから負けるわけにはいかないんだよ!
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年3月19日 13時
