186 ページ32
一瞬、その場が凍りついたような…
時が止まったような…
そんな空気が流れた。
タイプ?
えっ?!私が?
この私が?!
藤ヶ谷さんの?!
タイプ?
空耳だよね、
いや、お世辞だわ。
いや、社交辞令。
藤ヶ谷さん、紳士だから こんな私にまで気を遣って下さってるんだ。
私、こういう社交辞令は慣れてるし、いつも通り、会社の時みたく受け流そう。
その時、玉森さんに言われた言葉が頭を過った。
『ガヤはAちゃんの事、女性として好きなんだと思うよ』
って…玉森さんに言われたんだった。
でも…
無い/無い/無い/
ありえないよ…。
…………
(藤ヶ谷)「ねぇ、ところでさ、結構な荷物だけど、どこか出かけるの?」
A「/あっはい…/」
(横尾)「じゃ、送ってあげるよ!近くに車、駐めてるから。」
A「いえ、本当に結構です!」
(横尾)「遠慮しないでよっ。ねっ!」
丁重に何度も何度も お断りをするも…横尾さんも藤ヶ谷さんも、遠慮しないでと。
断り切れず、結局…車の中。
もう自分で自分がイヤになる。
今、頭の中…玉森さんで いっぱい。
………………
(横尾)「でさ、ここから どう行けばいいのかな?」
A「この駅までで大丈夫です。
ありがとうございました。」
(藤ヶ谷)「ここから電車に乗るの?
せっかく車なんだから、電車に乗るぐらいなら現地まで送ってあげるよ。
外、寒いしさ。」
A「いえ、もう ここが現地なんです。
ここからは徒歩なので本当に大丈夫です。」
(横尾)「徒歩なら すぐそばなんでしょ?
目の前まで行ってあげるから遠慮しないでよ!」
A「いえ、ここから ものの数分ですから!
本当にありがとうございました!」
………
『ガヤとは会わないで』っていう玉森さんとの約束、偶然会ったとは言え、破ってしまってる…。
さらにはティータイムもしました、送ってきてもらいました、なんて 玉森さんが知ったら どう思うか…。
きっと嫌われる。
そんな子とは付き合えない…なんてなって、別れよ…ってなったら どうしよ。
想像しただけで怖くなって… 自分の手をぎゅっと握りしめた。
(藤ヶ谷)「あれ?なんか この駅…知ってるかも。
もしかして今、玉の家のすぐそば?にいる?のかも。」
536人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ともこ | 作成日時:2017年10月28日 0時