177 玉森side ページ23
果てきったAちゃん…
ぐったり…。
えっ？即寝？な感じ？
ってか、もう寝てる…？
大丈夫かな？
毎回思う事…それは…
お腹とか痛くないかな？ と…。
毎回 どうしても聞いちゃう。
無理してないかな？と一番心配で。
痛くても大丈夫と無理する彼女だから、本当に平気かな？と毎回心配に。
今日の ぐったりな様子からして、限界まで かなり頑張ってくれてたのかな…って。
夜は冷えるしパジャマを着せてあげる事に。
そっと着せてあげてると…
彼女の目から涙が…
一本伝っていた…。
……………
今日は俺に、ニューヨーク行きの試験に落ちちゃった……って伝えてくれたんだった…。
つらいよね…。
海外で働く事、幼い頃からの夢だったんだもんな。
試験勉強、結構 頑張ってたみたいだったし。
尚更だよな…。
諦められないよな。
……………
試験に落ちて傷ついた彼女を目の前に俺の胸中は実は複雑で…
俺には、彼女がニューヨークへ行ってもらいたくない思いがあった。
自己中かもしれないけど、彼女を離したくない。
遠くへ行ってもらいたくない。
そばで これからも…
笑っていて欲しい。
だから…
ニューヨークへ行けなくて悲しむ彼女の気持ちを抱きしめながら、同時に不覚にも安堵してしまう自分の気持ちも抱きしめていたのかもしれない。
彼女には絶対に言えない、俺のズルイ心。
……………
既に寝ている彼女の目から伝う涙を手で拭い、そっとパジャマを着せてあげた。
こうして眠っていても…夢の中で 辛いのかな。
俺の前では無理して笑ってるのかな。
……………
彼女を守ってあげたいなって…
彼女を元気づけたいなって…
強く、強く思った。
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作者名：ともこ
| 作成日時：2017年10月28日 0時
