初彼〜キミがいる世界3

144「北山の思いは俺自身の思い」藤ヶ谷side ページ44

藤ヶ谷side



玉のオフは 急遽 明後日に決まった。




これで、Aのことを迎えに行ける。




そう晴々とした気持ちで楽屋を出れば…






(北山)「藤ヶ谷！」




…北山が追いかけてきた。




それに足を止めれば…






(北山)「ありがとな。」




そんな お礼なんて言われると、

照れくさく…、

黙っていると…




北山は申し訳無さそうに続けた。






(北山)「あのさ…、Aちゃんの番号って分かったりするかな？

連絡取りたいんだ、、。」




それを言われた瞬間、俺が さっき感じ取った北山の思い、意図は、間違っていなかったんだと確信についた気がした。






(藤ヶ谷)「いいよ、それなら俺が Aと連絡取っておくから。

明後日だよな。

Aの予定…確認しとくよ。」






(北山)「わりぃ。任せた。」




これ以上、説明なんて何もいらなかった。




俺は、北山の思いを受け取った。




それは、俺自身の思いでもあった。




………




玉は、ずっと Aのことを迎えに行きたがってた。




でも、仕事のスケジュール調整がつかなくて…、、




そんな玉を見ていて、ずっと もどかしかった。




どうにかならないかな、って思ってた。




自分にできる事、

してあげれる事は何かないか、

ずっと考えてた。




だけど、仕事は玉にしかできない。




そして、Aとの関係修復も…、、

玉にしか。




………



ここ最近、 Aにも仕事にも憤っては半ば投げやりに 二階堂とかと飲みに行く玉の姿を見ては…

焦ったくて、

歯痒くて…




例の女の子と朝までいた…って耳にした時は、このままだと本当に玉と Aは終わるって…




勝手に危機感さえ感じてた。




……




だけど、そう思っていたのは俺だけじゃ無かったんだ…。




北山の目からも そう…。




………、、




………………




………………

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