初彼（続編） 9 (ページ40)

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440「どしゃ降りの雨のように」藤ヶ谷side ページ40

藤ヶ谷side

A「私が、そうやって辛くなったり困ったりすると、藤ヶ谷さんはいつもどこからともなく察してくれたかのように現れては助けてくれて…、すごくすごく感謝しています。

でも、これからは…頼らずに、甘えずにやっていこうって思ってます。」

…キミは、さっきから〝感謝〟だとか〝おかげ〟だとか言って別れを告げては俺を持ち上げるけど、これはキミの優しさなの…？

俺のことを〝優しい〟〝いい人〟だって言うのもキミの優しさなの…？

そんなの…、俺にとっては、ただツライだけだよ。

もうキミには恋はできないなんて…辛過ぎるラストにしか思えないよ。

まるで、玉とキミが、うまくいくように願い…動く…恋のキューピッドのように俺のことを言い、そう例えられているような気さえするよ。

俺は、キミと玉との恋の橋渡し役なんかじゃないよ。

キミへはもっと深い想いがあるのに…。

キミが思っているような上辺だけの〝好き〟なんかじゃないのに。

……………………………

気が付けば、静まり返る部屋に雨が吹き付ける音だけが響く。

さっきまで小雨だった雨が…。

この予想外れのどしゃ降りの雨のように人は別れの準備ができない。

だからこそ

今だからこそ…

本当の言葉、本当の気持ち、伝えなくちゃ…。

このまま終わるなんて絶対にイヤだ…。

絶対に…。