初彼（続編） 9 (ページ39)

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439「心憂い」藤ヶ谷side ページ39

A「私、今まで逃げてたんです。

こうしてお返事をする事が怖かったんです。

気持ちに応えられないって言ったら、藤ヶ谷さん…どんな顔するかな、どんな気持ちになるかな、傷付くよね…って思ったら、言い出せなくなっていました。

でも！それは違うって気づいたんです…。

私のしている結論を出さないという態度は、藤ヶ谷さんのことを想ってなんかじゃ無く、ただ自分がかわいいだけだって。

…お返事を出して、藤ヶ谷さんの顔を見る自分はきっと心苦しくなるから、そういう自分に出会いたくないから…自分を守る為だけに逃げていただけでした。

私は自分のことしか考えていない最低な人間です。

ごめんなさい／／」

(藤ヶ谷)「Aちゃん、もういいよ。」

A「いえ、私、藤ヶ谷さんのこと…いっぱい傷付けてしまいました。

ごめんなさい／」

〝もういいよ〟と言う俺の声はキミには届かないのか…

笑いで自分の気持ちをごまかしては曖昧にしようとしている俺の気持ちは…。

………………

キミは、今日ここへ来てからこうして何度俺に謝ってきただろう。

もう私に恋しないで下さいって。

そんなキミの顔を覗き込めば、より切なさが増す。

A「…私、藤ヶ谷さんにたくさん感謝してます。

風邪をひいて寝込んだ時も食事を作ってくれたり、寝付くまで寄り添ってくれたり。

…それに私がひまりさんに撮られた写真の件でだって…、泣き過ぎて衰弱して帰れなくなった私を泊めてくれたり…。

…うん、だからそれもあって、玉森さんと冷静に向き合う事だってできたし…。」

(藤ヶ谷)「…。」

A「……そ、それに…、それだけじゃありません！

昨夜だって…突然家に来ては謝るひまりさんと私の間に入ってくれてフォローしてくれたり…。

あの状況…、仮に私と玉森さんとひまりさんの三人だったら…って考えると修羅場になってそうだったし、、。

うん、全部藤ヶ谷さんのおかげです。

…私は、きっと…そういう藤ヶ谷さんの優しさに知らず知らずのうちに居心地の良さを感じては頼っていたんだと思います。」

…感謝、、、。

…俺のおかげ、、、。