初彼（続編） 9 (ページ2)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:146,395 hit

402「幸せな朝」藤ヶ谷side ページ2

藤ヶ谷side

ー翌朝、藤ヶ谷宅ー

(藤ヶ谷)「Aちゃん？」

A「あっ、おはようございます／／」

朝、目覚めると隣に寝ていたはずのAちゃんはいなく、リビングに出て行くと美味しい香り。

そして、Aちゃんの満遍の笑顔。

A「あっ、あの／／

…昨夜は泊めて頂いて、ありがとうございました。

こ、これ…もし宜しかったら…。」

リビングのテーブルには朝ご飯。

(藤ヶ谷)「えっ？！作ってくれたの？！」

A「そ、そうなんです／／と、いうか勝手な事して、ごめんなさい／／

冷蔵庫の材料…勝手ながら使わせて頂きました。

…あっ、その…コンビニに材料を買いに行こうかな～とも考えたのですが、、
ここのお家の鍵…持って無いし、、、外に出たら戻って来れなくなっちゃうな…なんて／／

でも、泊めて頂いた御礼に…なんて思って／／
…朝ご飯…、、、」

俺に気を遣いながら、一つ一つ言葉を選びながら話す一生懸命な姿が愛おし過ぎて、キッチンに立つ彼女を後ろから思いっきり抱きしめた。

A「／／／」

(藤ヶ谷)「一緒に食べよっか？」

そう耳元で囁くと、ゆっくり頷くAちゃん。

手を引いて、一緒に食卓へ。

…………………………

A「…どう…ですか？」

そう聞いては不安そうな眼差しで俺を見つめてくる。

でも、お世辞抜きにものすごく美味しい！

(藤ヶ谷)「おいしいよ！ありがとう！」

A「良かったぁ／／」

恥ずかし過ぎるぐらい何も無い冷蔵庫の材料で、よくこんなにもレパートリーが。

そして、こうして向かい合って食べる朝ご飯…いつぶりだろう。

実家に帰れば、賑やかな食卓ともなるが、一人暮らしをしていると…なかなかこんな事は無く。

しかも目の前には大好きなAちゃん。

彼女が何気なく会話の中で笑顔を見せるだけで心が幸せに染まっていく…夢のような眩しい朝。

(藤ヶ谷)「料理、得意なんだね？」

A「／／全然／こんな物しか作れず…です／／」

(藤ヶ谷)「十分過ぎるよ。

なんか元気出るね！

手作りっていいね！」

A「／／／」

俺の一つ一つの返しに顔を赤らめては謙遜するAちゃん。

彼女が作ってくれた優しい味に癒され、彼女の優しい笑顔に癒される。