初彼（続編） 8

381「誰も幸せになれない」藤ヶ谷side ページ31

Aちゃんから、話しの一部始終を聞かせてもらった。




正直、すげー驚いた。




まさか、ひまりがAちゃんの会社に乗り込んで行ってたなんて…。




俺が、今日の昼間…玉に、撮られた心当たりを尋ねると、ひまりだ！って言い出して、俺的には あの時は半信半疑だったけど…、Aちゃんからの話しも今 聞いて、この写真を でっち上げて騒ぎを起こした犯人は ひまりなのかもしれないって…




いや、ひまりなんだ！って…！！




点と点が結びつくような…そんな確信を感じた。




俺は、真っ先に、何で、こんな事をするんだよ…って、ひまりへ 怒りが湧いたのは言うまでもないが、ひまりが玉を想う気持ち、大好きな気持ち、独占欲…まじまじと見せつけてくるかのような ひまりの手口には、言葉を失った。




怒りよりも呆然とさせられる方が勝ってしまう…そんな心境にさえなった。




普通…ここまで するかよ…。




………………




だけど、ひまりだって、俺らと同業者である以上 分かってるはずだ。




…こんな事、起こしていいわけないって。




そんな ひまりが、この騒動を起こした理由…




それは…




玉とAちゃんを、どんな手段を使ってでも、どうしても、別れさせたかったんだ…って、今さらだけど…気づかされた。




ひまりは、別れた今でも玉のことが大好きなのは 今までも もちろん分かってはいた。




だけど、ここまでしてでも 玉を自分のものにしたいっていう ひまりの気持ちには…
…

…初めて思い知らされた。




俺は、ひまりの近くにいながら、そんな ひまりの企みを見抜く事も暴走を食い止める事もできなかった。




そんな自分への後悔と不甲斐なさに胸が締め付けられそうになる。




こんな手口…




こんな事…






ー誰も幸せになれないー

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