255「叶うといいな、3人の日」 ページ5
A「うん…、無いんだ…。
…母から聞いたかもしれないけど、うちの家…父が勤める会社の創業者の方と代々ゆかりのある家系で、父は若い頃から今の地位を約束されてたって形で…。
だから仕事、仕事ばっかで…家族との時間なんて作ろうともしてくれなかった。
だから、家族で出かけた思い出、無いんです。」
(玉森)「そっか…」
A「…うらやましいな…。」
少し離れた場所で無邪気に走り回る子供とお父さん、そして それを優しく見守るお母さんの家族連れの姿をぼんやり眺めた。
(玉森)「これから、たくさん思い出作ろうよ！
2人でも。
3人でも4人でも5人でも6人でも(笑)」
A「えー(笑)なにそれ？！(笑)
どーいう意味？(笑)」
(玉森)「だってA、将来 赤ちゃん欲しいって言ってたじゃんー！」
A「えー(笑)あははは(笑)そういう意味ー？！(笑)
それなら、3人、4人っていうのは分かるよ！
玉森さんがいて、私がいて、赤ちゃんが1人若しくは2人って事でしょー？！
だけどさ、5人、6人って何ーー？！(笑)」
(玉森)「あはははは(笑)
だから子供が超いるって設定(笑)」
A「なに その設定ー(笑)ウケるー(笑)
／ちなみに…
そんなには…望んで無いです(笑)
あはははは(笑)」
(玉森)「あはははは(笑)冗談〜(笑)
俺も望んで無い(笑)」
A「うん(笑)
でも…そう言ってくれて 嬉しいなぁ／／
いつか叶うといいな。3人で来れる日…。」
(玉森)「うん。叶えてあげる。
だから、その時まで待ってて。」
A「／／うん／／」
夜の帳は すっかりおり、星が瞬いている。
そして、玉森さんが話す通り、満天の星空が広がる。
まるでプラネタリウムで見る星雲や星団が全天にかかっているような星空に吸い込まれていきそうになる。
私達は自然と静かに…ゆっくりと その世界へ包み込まれるように静寂の時を過ごす。
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作者名：ともこ
| 作成日時：2018年4月22日 1時
