初彼（続編） 6 (ページ40)

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290「一夜の出来事I」藤ヶ谷side ページ40

藤ヶ谷side

ー藤ヶ谷宅ー

(ひまり)「きゃー／／マジ？！

とうとう一夜を共にしたんだね！

攻めたねー太輔！」

ドラマの撮影で名古屋へ行っていたひまり。

東京に戻って来ては俺の家でさっそくAちゃんとの一夜について騒ぎ立てる。

(藤ヶ谷)「ってか、何も無いけどな。」

(ひまり)「はいはい、やっちゃったくせにーー(笑)」

(藤ヶ谷)「あははは(笑)そんな事しないよ(笑)」

すると、ソファーに座っていた俺の膝の上に跨るようにひまりが乗ってきた。

(ひまり)「こんな感じに…Aちゃんは意外と大胆だった？

ああいうカマトトぶってる子に限って意外とあっちの方は大胆だったりするもんね！」

(藤ヶ谷)「／／いや、だから本当に何も無いって／」

(ひまり)「いっつも裕太に支配されてるAちゃんの身体を今度は俺が…／／っなんか、想像しただけで萌える～その展開！」

(藤ヶ谷)「あのなー(笑)

ってか、すげー想像力だな(笑)」

(ひまり)「彼女は風邪で寝込み、彼氏は仕事で名古屋で…泊まりで戻らず。

だから、僕が…／／

でも、そんな彼女も満更でも無く…」

(藤ヶ谷)「あはははは(笑)なんか、それじゃーコテコテの昼ドラだな(笑)」

(ひまり)「あはははは(笑)で、実際のところはどーなの？！

寝取り成功？」

(藤ヶ谷)「だから言ってんじゃーん。

何も無いって(笑)」

(ひまり)「えー！つまんない。」

そう言うと、ひまりは俺の膝から下り、その展開平凡過ぎー！って、ぶつぶつ言いながらウォーターサーバーへと水を取りに立った。

……………………………

……………………………

あれから…

窓から差し込む日差しで目が覚めた。

目の前でスヤスヤ眠るAちゃん。

握ったままの手…。

このまま離したくない…、この手も、目の前の幸せも。

そう思ってしまう自分がいた。

でも…そんな気持ちを抑え、そっと手を離し、おでこを触ると熱はすっかり下がっていた。

これで俺の役目も終わりだなって、切なくも思えてきて、目の前で眠るAちゃんの顔をじっと見つめた。