277「ドア越しのキミ」藤ヶ谷side ページ27
ー玉の家ー
藤ヶ谷side
(藤ヶ谷)「おじゃま…します…」
預かったkeyで玉の家のドアとセキュリティを解除する。
……………………………
リビング…
がらん…と静まり返っている。
きっと寝てる…よね。
えっと…寝室…、どこ？だろう？
一周見渡し、ここかな？ってドアを ほんの少しだけ…そっと開けてみた…
(藤ヶ谷)「…おじゃまします…」
すると細く開けたドアの間から 目に飛び込んできたのはベッドだった。
そして、ベッドの中で、もぞもぞっと、動く様子が見えた。
(藤ヶ谷)「Aちゃん…」
そのままドアを少しだけ開けたまま 小さい声で その場から呼びかけてみた。
すると…
A「宮田…さん／？！」
Aちゃんの声。
(藤ヶ谷)「…ごめん。宮田じゃ無いんだ。
…藤ヶ谷です。」
A「……えっ？？
……。」
驚いている声のAちゃん。
きっと状況が掴めないよね…。
だからって、このまま2人の寝室にズカズカ入るのは さすがに無しで、気が引けて…、そんな失礼な事はできないなっていう申し訳無さもあって…
少し開けたドアの隙間から…その場で話しを続けた。
(藤ヶ谷)「…ごめん。
心配で見に来たんだ。
宮田、これから仕事で…来れるの夜になるっていうからさ。
…俺、この後 予定無いからさ。
宮田の代わりに来たんだ。
驚かせて ごめん。」
A「…／えぇー？！／藤ヶ谷さん…？
えっ、ちょっと待って待って／／
どうしよ…／／」
慌てながら話すAちゃんの声。
ここからじゃ、Aちゃんの姿は見えないし、伺い知る事はできないけど、きっとベッドから起き上がったりして慌てちゃってるよね…。
(藤ヶ谷)「…あのさ、そのままでいいから。
動かないでいいから。
俺、こっち…、リビングにいるからさ、何かあったら呼んで！
して欲しい事とか何でもするからさ！」
A「／／いえ／／でも それでは悪いので／／
私、大丈夫ですから。」
(藤ヶ谷)「うん、そう言われちゃうとは思ったんだけどさ、心配だから そばにいさせてよ。」
逆に気を遣わせてはダメだと思い、寝室のドアを静かに閉めた。
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作者名：ともこ
| 作成日時：2018年4月22日 1時
