271「大きな愛に包まれて」 ページ21
A「…それに、万全にしなきゃいけないのは体調だけじゃ無いよ…。
メンタルもです。
…私の風邪がうつらないにしても、自分のそばで…、自分の寝ている隣で…、辛そうに風邪引いてる人がいたら気にしない訳にはいかないし。
私のせいで、看病だとかで遣わなくてよい気を揉んで、今 一番大事な撮影に支障をきたしくなかったんです！」
(玉森)「うんー、でも…風邪は引きたくて引く訳じゃ無いから お互い様だと思うけど。」
A「その考えは間違っています！！
玉森さんの代わりは誰もいないって言ってるじゃないですかー！
大事な身体なんですよ！
大事な時期なんですよ！
私は…お仕事に集中されていて、一つ一つのお仕事を大切に一生懸命な玉森さんが大好きです。
今のドラマだって役に入り込んで 向き合ってる…っていうか…。
すごく素敵です…そういう姿。
…なのに、私のせいで気になる事ができてしまっては、撮影に集中できなくなって公私混同しちゃう気がするんです！
だから…」
(玉森)「仕事は仕事で きちんとやるし。
ってか、そんなの言われなくても当たり前の事だし。
Aのことで、俺の仕事に対する気持ちがブレたりしないし。
ってか、公私混同するような そんな小さな人間に見えるって事？」
A「そんな事 言って無いです！！
でも、こうして一つ屋根の下に具合が悪い人がいたら気にしない訳にはいかないじゃないですかー！
私、やっぱり、玉森さんに仕事に集中してもらいたいので明日からはホテルで寝ます！」
(玉森)「はー？！
もう〜何で そんな頑固一徹なの？
マジわけが分からないんだけどー！
ってか、喧嘩したいの？」
A「頑固一徹？！ひどいー！」
(玉森)「…。」
A「…。」
お互い黙った。
その沈黙を破るかのように、優しく語りかけるかのように玉森さんが口を開く…
(玉森)「仕事は ちゃんとやるから、大丈夫だから。
だから…、A…ここにいて。
早く よくなって。
…俺にとってAの代わりはいないから。
早く元気になって 美味しいご飯作ってー！」
A「／／／」
もう何も返せなかった。
それ以上の言葉が見つからなかった。
玉森さんの大きな愛情に包まれて。
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作者名：ともこ
| 作成日時：2018年4月22日 1時
