初彼（続編） 2 (ページ21)

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71 「終わらない夜I」ページ21

今夜4日ぶりに玉森さんに会える！

福岡でのコンサートが無事に終わったよ～！て、メールをもらったばかり！！

23時には東京着だってー！

きゃー／／嬉しい／／

4日間会って無かっただけなのに、すっごく久々に再会するような胸の高鳴りと緊張と何とも言えない嬉しさ／／

………………………

そんな私は、スカートのウエストがキツくなるのを回避するのと、ドライアイなのはカロテン不足が原因かな？なんて考えて、お昼はコンビニのほうれん草サラダだけで我慢。

これは、いつも玉森さんの前でキレイな自分でいる為の努力。

でも…

そろそろお腹が鳴る時間…

「先輩～取引先からお電話です。」

帰る気満々でメイクを直して、帰宅時間を逆算していた私のもとへ一本の電話が入る。

実は昨日、大きな仕事の伝票処理を終えたばかり。

どうかトラブルでありませんように…

どうか明日にキャリーできる内容でありますように！

そう一瞬のうちに考える。

………………………

「先日、頂いた伝票ですが…こちらで確認する限りでは誤値があると思うんです。

そちらに原本ありますよね？

ご確認頂けないでしょうか？」

A「わ、分かりました…。

すぐに折り返しお電話を入れます。

申し訳ございません。」

………………………

嘘でしょ…。誤値って…。

A「奈良さん！

昨日納品した伝票の原本だけど…どこに保管してる？」

奈良さん…派遣社員の子。私と組んで１年。

私のフォローやコピー、他にもパソコンの入力処理などもこなしてくれている。

「そこの壁面キャビに入れてありますよ～」

慌てて壁面キャビを開ける。

「先輩～何かあったんですか～？！」

その声が聞こえない程に急いでファイルを捲る。

そのままデスクについてパソコンのデータと現物伝票を照合…。

どうかこちらのミスでありませんように…

誤値でありませんように…。

………………………

しかし、

そんな願いは…

虚しく…、、。

ものの10分で願いは灰と化した。

えっ…マズイ…。

マズすぎる…。

一気に落ち着きを無くし、腕時計のチェーンを何度も触ってしまう。

………………………