789「華奢なシルエットI」藤ヶ谷side ページ39
藤ヶ谷side
ひまり…本当っ無茶するなー。
……………
俺は、ひまりを迎えに行く為、湖へ続く遊歩道を急いだ。
そんな俺の目には 焼き付けて離れ無い光景があった。
……………
それは…
……………
……………
トランプ勝負も終わり、露天風呂へ行こうとコテージを後にして行くAちゃんと玉…
その姿を横目に じっと見つめる ひまり。
その目は…とても切なくて、ひどく やるせないものだった。
／バタン／
そんな二人が出て行ってから、ひまりは俺に言ったんだ…
(ひまり)「何で私はAちゃんみたくなれないんだろうね…、、、」
そう…深い溜息を…。
………
…そんな ひまりを なんだかんだ宥めるも…
(ひまり)「私も出て来よう〜とっ！」
そう言うと、ひまりもコテージを後にした。
俺は、もちろん心配になって、一緒に行くよ！って声を掛けるも…
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押し切られ。
…でも、すぐに戻ってくるよな…って、俺は あの時、軽く見たんだ。
コテージ施設内のホットスプリングやサウナを周り…一人の時間を楽しんでは、ひまりを追いかける事をしなかった。
…………
それが まさか、この寒い中…湖まで行ってるなんて／
……
一人になりたいのにも程があるよなー。
本当っ、破天荒で ぶっ飛んでるな、ひまりは(苦笑)
しかも、何度電話しても出ないし、そのうち電源はOFFにしたのか音信不通だし／
世話が妬けるよ(苦笑)
いや、世話し甲斐があるのかもな、ある意味(苦笑)
…………………
そう半ば呆れ返りながら湖へ続く遊歩道の出口に差し掛かった時だった。
もう目の前は湖…
一気に視界が開けてくる。
すると、湖の方から走って戻ってくる姿が見えた。
その華奢なシルエットからして、それは女性に間違いはなかった。
まぁ…この距離からだと薄暗いし、確実に それが ひまりだとは未だ断定できないものの、ひまりに間違いなく／
(藤ヶ谷)「ひまり〜！！」
俺は、大きな声で叫んだ。
……………
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作者名：ともこ
| 作成日時：2018年9月19日 2時
