669「モノケノカラ」藤ヶ谷side ページ19
藤ヶ谷side
あれ？！誰もいない…。
………………………
俺は、リゾート内に併設するホットスプリングで温泉を楽しみ、帰りにコテージのセンターハウスで のんびり…
好きな時に好きな事ができる この環境に心から癒される時間を送っていた。
………………
そう ゆらりと コテージに戻れば、モノケノカラ。
玄関の靴が一足も無い事に気がついた。
………
みんな外出中かぁ…。
………
俺は、リビングにあるペレットストーブにあたりながら、その優しい炎を見つめては床に寝転んだ。
今まで賑やかだったトランプの光景を思うと、どことなく殺風景なようにも思えるリビングだが、こんな一人も悪く無い。
ゆらゆら揺れる炎に柔らかい暖かさ…
ふぅ〜と 大きく背伸びをし、目を瞑れば…今すぐにでも眠れる程だった。
でも、そんな時でさえも目に浮かぶ…
Aちゃんの笑顔。
………………
俺は、旅行に来て 改めて自分の想いに気づかされた気がした。
この恋は、今しかできない。
もしも、今の想いに嘘をつき、このまま塞ぎ込んでしまえば…
何も行動に移さなければ…
いつかきっと…
悔やんでしまう。
未来のことを仮定してばかりの恋では、�犧��瓩箸いΠ貊屬�、何事もなく、過ぎていってしまう。
面倒だって、わがままだって…
泣いて笑う人生のほうが、きっと自分に正直で
満ちみちたものになるはず。
恐れずに�犧��瓩棒議召蔑�をしたい…。
…………………
それから どれぐらいだろう…
ゆらりゆらりと燃えるストーブの炎を眺めてはAちゃんへの想いに耽った。
…………
…………
ふと、携帯に目を向けるとメールが来ている事に気がついた。
［太輔、どこに行っちゃったのー？
探してたんだよー。
私なら湖にいるよー。
22：30分］
それは、ひまりからだった。
そのメールの直後に、ひまりから着信も入っていた。
………
湖って…、、、
…………
…………
俺は時計に目を向けた。
…メールが入ってから1時間もたっている。
なのに、まだ帰らない ひまり。
…………………
…………………
この寒い時期に夜の湖って…、、
マジかよ、、
…………………
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作者名：ともこ
| 作成日時：2018年9月19日 2時
