初彼（続編） 14 (ページ15)

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665「ヒメマスの湖」玉森side ページ15

玉森side

(玉森)「A～、のぼせちゃうよー！

まだ入るのー？！」

〝星空が綺麗だから、もう少し〟って…。

俺は先に上がって着替えるも、まだ露天風呂から上がってくる気配無く。

(玉森)「ねぇー、A～！」

もう一度呼びかけてみるも…

A「先にお部屋戻ってて下さいー！

後から追いかけますねー！」

そう露天風呂からAちゃんの声。

俺は、先に出る事にし、その場を後にした。

…………………………

露天風呂からコテージまでは目と鼻の先だが、俺はその道を真っ直ぐは帰らなかった。

コテージから遊歩道が連なる湖の方へと足を運んだ。

それは昼間、俺らの荷物を運んでくれたコテージスタッフさんからこんな事を聞いたからだった。

〝ヒメマスの湖〟だと。

………………

今、目の前に広がるこの湖は、ヒメマスの湖としてマニアに人気が高く、全国有数の清澄な水環境で釣上げた魚は格別だとかで。

…夜間の釣りは禁止されてるって事ではあるけど、少し立ち寄ってみたくなった。

…………………

ぶらぶら歩き、深呼吸をすれば白い雪山が水面に揺れ、まるで絵画のような風景。

そんな残雪を写す湖面は、いつまで見ていても飽きないほどだった。

……………

〝カヤック、カヌー、ツアー〟

楽しそうな看板を見つけた。

ヒメマス釣りだけじゃ無くて、こんなアクティビティも楽しむ事ができるんだ…。

Aちゃんと来たいな…。

こうして一人でいたって、Aちゃんのことを想ってしまう。

Aちゃんの笑顔を思い浮かべてしまう。

…それほどAちゃんのことが好きだなって、フワフワと…改めて。

……………

そう…しばらく歩くと、釣り竿が落ちているのを見つけた。

…誰かの忘れ物？！

………

思わず手にしちゃった／

……

ヒメマス…、一度は逢いたい憧れの魚だな！

サケ類の中で一番美しいって言われてる魚だし。

あぁーあ、釣りしたいなー。

最近、仕事が忙しくて全然行けて無いしな／

……そう想いにふけっていると、湖のほとりに座っている人を見つけた。

きっと釣り人だ。

夜釣りは禁止とあり、朝になるのを待っているんだな…。

四時とかにはスタートするのかな…？

俺は、ヒメマス釣りにワクワクする気持ちが抑えきれなくなり、あわよくばヒメマスの情報とか聞けたり？！な～んて思って、その釣り人のもとへ向かった。